2024 年 12月 27日 (金)
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営業管理、まだ手帳で?「B2B営業バイブル」デジタルで

Startup Story ~~ 成功のカギ

ピクセリック(Pixelic) チョン・サンヨン代表

チョン・サンヨン代表©MONEY TODAY

企業間取引(B2B)分野のスタートアップ企業のセールスマンA氏は、取引先リストを手帳で管理していた。どの会社の誰に、いつ、なぜ連絡しなければならないのか。頻繁に更新しなければならない煩わしさはあった。だが、きめ細かな整理を通じて契約を次々と受注し、抜群の営業力を証明した。

ところが……。最近、「営業のバイブル」ともいえる自身の手帳を紛失してから苦難が始まった。デジタル化が必要だと感じてGoogleカレンダーなどを活用したが、顧客・関係情報、営業段階別の連絡方法と接触時点など、ディールプロセスを管理するには限界があった。

A氏の事例のように、営業職の業務は依然、自身の手書き情報によるものが多い。顧客関係管理(CRM)システムを導入したところもあるが、スタートアップの立場からは、必要以上に多い機能、高い費用のため、負担が少なくない。

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◇スタートアップ営業管理に最適化

「ピクセリック」は企業向けサービス型ソフトウェア開発会社で、2019年に設立された。A氏の場合のようなペインポイント(不便を感じる点)を解決するため、スタートアップの営業管理に最適化されたCRMやセールスコラボソリューション「リレー(Relate)」を発表した。

リレーは電子メールと連動し、顧客とのコミュニケーションの内訳を自動的に集めて、ミーティングの記録、契約記録などをチームと共有・管理できるソフトウェアである。チョン・サンヨン氏は「シンプルで使いやすいのが最大の長所」と言う。

「B2B営業用CRMソフトウェアとして『セールスフォース』がよく知られています。ただ、機能が強力なだけに複雑で難しいですね。これを導入した一部の会社は、使うのが難しすぎて、途中で止めたり、きちんと使えなかったりするケースが多いです」

チョン代表はこう指摘する。

リレーの場合、スタートアップが必要とする機能を中心に単純に設計し、顧客からの反応も良いという。「昨年10月に正式に発売して以来、現在35カ所の有料顧客の会社を確保しており、着実に増えています」

◇互いに共有して見られる宝箱

チョン代表は、単にソフトウェアを導入するのではなく、ソフトウェアに合わせた仕事のやり方、プロセスも導入することが重要だと助言している。いくら良いツールがあっても、チームでうまく使えなければ、導入した意味がないというわけだ。

「CRMを使用するためには体系的な営業プロセスにしたがっていただく必要があります。リレーを導入すると、使用方法に関する案内だけでなく、リレーチームが営業プロセスを体系的に作るプロセスまで一緒にお手伝いしています」

「営業チーム内では競争ではなくコラボが重要です。既存のCRMが、営業チームメンバーがそれぞれ使用するソフトウェアだったとすれば、リレーは各チームメンバーが顧客について知りたいことがある時に互いに情報を共有して見ることができる宝箱のようなものです」

リレーを導入したあるスタートアップ代表はこんな感想を述べたそうだ。
「製品を作ったが、B2B営業が行き詰まった状態だった。リレーを使うことで、初期の営業プロセスづくりに伴う試行錯誤を減らした。ほかの会社にも推薦する」

◇B2B SaaS成功予想

ピクセリックの当初の事業モデルはリレーではなかった。初期モデルは、韓国のデザイナーを米国の顧客に連結する事業だった。
ところが、デザインコラボのために製作した独自ソフトウェアに、米国の顧客が関心を示すのを見てB2B SaaS成功の可能性を示唆されたという。

「米シリコンバレーの有名なアクセラレーター『ワイコンビネーター(Y Combinator)』が選んだ企業の40%はB2B SaaS会社です。韓国でもB2B SaaS市場が爆発的に成長するでしょう」。チョン代表はこう見通す。

ピクセリックは、シリコンバレーで起業し、スタートからグローバルを目指した。「韓国のB2Bスタートアップの成長の勢い、米国や東南アジアなど、海外市場での機会などの要因を考慮すれば、今年、リレーの顧客会社の規模は1000社あまりに大幅に拡大されるかもしれません」

「非デザイナーもデザインを確認して意見を出すウェブ基盤デザインソフトウェアで、ユニコーンになった『フィグマ(Figma)』のように、リレーがCRM業界のフィグマになりたいです。スタートアップの効率的な業務を支援するB2B SaaS会社に生まれ変われれば」
これがチョン代表の希望だ。

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