「江南(カンナム)だからといってみんな同じではないんですよ。テヘラン路を基準に江南の中でもテブクとテナムに分かれています」
ソウル市江南区大峙洞(テチドン)に住むイ・ヒョンミンさん(42)は、小学校3年生の娘を国際中学校に通わせようと、今年1月、大峙洞に引っ越した。だがチェさんは大峙洞に引っ越してから、自分が江南区でも「テナム」住民だという事実を知ることになった。テヘラン路を中心に江南区の北側をいわゆる「テブク」、南側を「テナム」に分ける「江南の中の江南」分類法があった。
狎鴎亭洞(アプクジョンドン)・清潭洞(チョンダムドン)・新沙洞(シンサドン)が含まれたテブクには、代々の金持ちが暮らす。
大峙洞・駅三洞(ヨクサムドン)・道谷洞(トゴクトン)・開浦洞(ケポドン)があるテナムには、自力で成功した専門職の金持ちが暮らす。
それぞれの街の性格が違うことから不動産業界と塾街はこの隠語を使っている。
ソウル地下鉄江南駅交差点から三成(サムソン)駅まで東西を横切る4kmにわたるテヘラン路は江南区を南北に分ける。
◇政財界関係者や芸能人の居住地
テブクを代表する代表的な金持ちマンションとしては狎鴎亭現代(ヒョンデ)マンションが挙げられる。1976年に入居を始めた狎鴎亭現代アパートは韓国で初めて中上流階級をターゲットに建設した40~60坪のアパートだった。7~15坪の狭いマンションだけが存在したころ、広いマンションを購入できた人々は事業家、高級官僚、国会議員ら数千万ウォン(1ウォン=約0.11円)の現金を融通できた当時の上流階級だけだった。
現在まで狎鴎亭一帯のマンションはずいぶん老朽化したが、依然として多くの政財界関係者や芸能人の居住地として注目されているのも、優れた商圏が一役買ったという分析だ。現代マンションを含め、近くの老朽化したマンションの建て替えが予告されている。建て替えが完了すれば狎鴎亭洞は「上位1%金持ち」だけが住める町になるだろうというと言われている。
◇「私教育1番地」
半面、「テナム」に代表される街は道谷洞、駅三洞、開浦洞が挙げられる。名門学区と塾街を併せ持つことに加え、良好な教育環境が整っており「孟母」たちに好まれている。
この中でもソウル江南区大峙洞316番地にある銀馬(ウンマ)マンションは名門学区と塾街が集結しており「私教育1番地」と呼ばれる。超高価だとの認識と金利負担に伴う取引件数の低迷により、あちこちで数億ウォンも下落したマンション団地が続出しているが、大峙洞塾街に近隣するマンション団地の相場は大きな変化なく推移している。
KB国民銀行の不動産専門家は「テブク・テナムは人々が『あなたと私は違う』という区分けが極端に現れる。実際に投資家が好む地域はテブクに多く、ビルや学区のような住居の好みもやはりテブクに集中している」と分析した。
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