2024 年 12月 14日 (土)
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北朝鮮、言葉の爆弾「9・19合意」破棄か(上)

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記(左)と実妹のキム・ヨジョン(金与正)副部長©news1

朝鮮半島情勢が4月初めから再び緊張している。北朝鮮がキム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党副部長名義の2日付談話を通じて、韓国のソ・ウク(徐旭)国防相の最近の発言を問題視して「南朝鮮(韓国)に対する多くのことを再考する」と威嚇したからだ。

ソ氏は1日、陸軍ミサイル戦略司令部の改編式で「韓国軍は(北朝鮮による)ミサイル発射の兆候が明確な場合、発射地点と指揮・支援施設を精密打撃できる能力と態勢も持っている」と明らかにした。するとキム副部長は「南朝鮮軍部がわれわれに対する深刻な水準の挑発的な刺激と対決意志をさらけ出した」と反発した。

北朝鮮の「軍部第一人者」とされるパク・ジョンチョン(朴正天)党書記もまた、キム副部長と同じ日に発表した談話で「もし南朝鮮(韓国)軍がいかなる誤判によってであれ、わが国家を相手に先制打撃のような危険な軍事的行動を強行するなら、わが軍隊は容赦なく、強い軍事力をソウルの主要標的と南朝鮮軍を壊滅させるのにすべて集中するであろう」と警告した。

専門家の間では、北朝鮮が今回「再考」すると明らかにした対象に2018年の「9・19軍事分野南北合意書」が含まれている可能性があるという観測が出ている。

北朝鮮の「対南政策の総責任者」として、キム副部長は既に2020年6月の段階で、韓国側団体を相手に「対北ビラ散布の中断」を要求する談話で「軍事合意破棄を覚悟しなければならない」と明らかにしたことがある。その直後、北朝鮮は開城(ケソン)の南北共同連絡事務所を爆破し、南北間の緊張を極限に引き上げた。

当時、北朝鮮は▽金剛山観光地区と開城工業地区に連隊級部隊と火力区分隊を展開▽非武装地帯(DMZ)への民警哨所(GP)の再進出▽前線警戒勤務のレベルを1号戦闘勤務システムに格上げ▽対南ビラ散布の保障――という朝鮮人民軍総参謀部の措置を発表していた。

ただ、北朝鮮側はキム・ジョンウン(金正恩)総書記の「保留」決定により、こうした軍事的措置を行動に移すことはなかった。ただ今回のキム副部長名義の談話が、キム総書記の「委任によって」発表されたものであり、今後、北朝鮮による対南挑発の度合いが大きく高まる可能性があるという見方が出ている。キム副部長は昨年3月、米韓合同軍事演習を非難する談話でも「9・19合意」破棄を取り上げたことがある。

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