2025 年 4月 26日 (土)
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北朝鮮、観光業再開に本腰…平壌マラソンに続き「白頭山」も本格PR

2022年2月16日、三池淵での行事に出席した北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記=朝鮮中央テレビキャプチャー(c)NEWSIS

今月初めの平壌国際マラソン大会をきっかけに北朝鮮が観光産業再開の動きを本格化させ、次は白頭山(ペクトゥサン)観光地の広報に注力している。

北朝鮮の対外向け宣伝サイト「朝鮮の声」に20日、「白頭山は複合型の山岳観光地であり、スポーツ観光の名所である」と題する記事が掲載された。記事では「今後は北胞胎山を中心にスキー場と観光休養地を整備し、三池淵飛行場の改築や観光鉄道の敷設も計画している」としたうえ「白頭山地域は、我が人民だけでなく、友好的な外国の友人たちにも愛される場所となるだろう」としている。

また、北朝鮮の観光専門サイト「朝鮮観光」でも、2015年に開催された「白頭山山岳マラソン観光」イベントを再紹介する記事が公開された。さらに、朝鮮労働党機関紙・労働新聞も、19日付で「山岳文化都市・三池淵市密営通り」と題した記事を掲載し、同地域の建築美学や自然景観を強調している。

三池淵市は、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が元山葛麻海岸観光地区、陽徳郡温泉観光地区と並ぶ「三大観光拠点」として重点的に開発を進めてきた地域だ。2020年には三池淵リゾート内に大型ホテルを建設するなどの拡張工事が始まり、2024年までにその大部分が完成したとみられている。

国際社会による制裁が強化される中で、観光は数少ない制裁対象外の外貨獲得手段として注目されている。2019年には北朝鮮を訪れた外国人観光客が約30万人に達し、これによる外貨収入は1億ドルに上ると推定されている。

新型コロナウイルスの流行により2020年に国境を全面封鎖した北朝鮮は、昨年から徐々に国境を再開し、観光産業の再活性化に乗り出した。キム総書記は2024年7月、白頭山の三池淵や元山カルマ海岸観光地を訪問し、観光の早期再開を指示。その後、同年12月には再び葛麻地区を訪れ、「2025年6月から本格運営する」と明言した。

今夏の観光シーズンを前に葛麻地区の開業が迫る中、北朝鮮は今後、中国やロシアなどの友好国を対象とした観光誘致をより積極的に展開すると見られる。すでに北朝鮮は北京・瀋陽・上海など中国主要都市との航空路線を再開しており、ロシア・ウラジオストク便も増やした。

(c)news1

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