すでにK-POP業界でレーベル体制はHYBEの他でも効率性が証明された。2018年に歌手兼プロデューサーのパク・ジニョン率いるJYPエンターテインメントが発表した「JYP2.0」もその一つだ。パク・ジニョンは当時「会社の中に4つの小さな会社を作ることにした」と言い「4つのレーベルが結合した一つの会社になるだろう」と予告した。実際、JYP内には「TWICE(トゥワイス)」や「NMIXX(エンミックス)」など各チーム別に専任チームがある。
一方、SMはチーム別に有機的な関係がある特殊な状況だ。マーブルを連想させるSMカルチャーユニバース(SMCU・SM Culture Universe)の世界観がある。SMCUは多様な英雄を前面に掲げたディズニーのマーブルスタジオのように、SMに属した各グループが荒野空間で各自が積み上げてきた物語を展開したり互いに交差させたりする。
そして、マーブルのアベンジャーズのように、SM所属のボーイズグループのメンバーとガールズグループのメンバーがそれぞれ集まったSuperMとゴッド・ザ・ビートが作られた。カカオが今回、HYBEと争ってもし勝機をつかむならば、カカオはスーパーK-POP IPが直ちに必要なだけにこの世界観を維持していく公算は大きい。
◇多様なアイデア創出
HYBEが勝機をつかむ場合は、すでにHYBEもネイバーウェブトゥーンと手を握り、BTS、TOMORROW X TOGETHER、ENHYPEN、LE SSERAFIMの世界観を作っており、SMを買収することになれば、多様なアイデア創出が可能だ。
それにもかかわらず、すぐに将来を具体的に設計することができず、SM内のSMCUなどのチームは不安に思っているという。SMは上半期中にaespaの、そして今年中に会社の象徴であるEXO、SuperMなどのニューアルバムの発売を予定している。NCT東京など新人グループ3チームもデビュー予定だ。
業界では、会社別に多様な個性を表現し、悪意のない競争を繰り広げることが健全なK-POP生態系のために必要だと口をそろえる。K-POPに先立ち1970~1980年代と1980年代と1990年代初めには、それぞれ日本の「Jポップ」、香港の「広東ポップ」が世界的な人気を博したが、没個性と共にスターを次々と輩出できず、一時的な人気に止まった先例もある。
ある業界関係者は次のように見通す。
「世界的な景気低迷のなか、元々不安定なエンターテインメント業界で買収合併は増えるだろう。それでも各社の遺産と個性を守る方法を皆一緒に考えてこそ、K-POPの生命力は強くなるだろう」
(おわり)
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