
EC企業クーパン(COUPANG)で発生した約3370万件に及ぶ顧客アカウント情報の大規模流出事件を受け、韓国で利用者離れが加速している。一方で、早朝配送など配送力を強みとする他のEC企業には利用者の流入が相次ぎ、なかでもカーリーやオアシスの利用者数が急増している。
モバイルデータ分析会社IGAWorksの「モバイルインデックス」によると、2025年12月5日のクーパンの1日あたりアクティブユーザー数(DAU)は1617万7757人で、12月1日の1798万8845人から約180万人減少した。これは3日間で利用者の急減を示しており、前週と比較しても減少幅は3倍を超えている。
クーパンのDAUは、週末から週初めにかけて上昇し、その後減少する傾向があるが、今回の情報流出事件前後の動きを見ると、11月25日まで増加した後、28日には1570万人まで落ち込み、29日には一時的に回復したものの、12月2日から再び減少傾向となり、5日には1617万人まで低下した。
事件前の週と比較すると、1週間あたりの最大と最小の利用者数の差が約55万人だったのに対し、事件後は約181万人の差が生じており、流出事件による影響の大きさが際立っている。
一方、他の主要ECプラットフォームでは、クーパンからの「脱出組」とみられる新規利用者の流入により、DAUが大きく増加した。Gマーケットは事件前の平均DAUが約130万人だったのに対し、12月3日には170万7456人に増加。11月26日と比較すると約40万人(28.12%)の増加となった。
11番街も同様に、12月3日のDAUが159万6741人となり、11月26日と比較して約21万人(15.58%)の増加となった。SSGドットコムも、11月27日の43万人から12月4日には47万人まで増加し、9.05%の伸びを記録した。
特に注目されるのは、カーリーとオアシスといった「早朝配送」に特化したEC企業だ。前者は11月21日には約60万人だったDAUが、12月1日には88万人を超え(+46.04%)、その後も80万人前後を維持している。後者も5万人台だったDAUが12月2日には約7万8000人(+39.41%)まで急増した。
業界では、今回のクーパン情報流出による信頼性低下が背景にあると分析されており、カーリーやオアシスなど、配送品質で差別化を図る企業にとって追い風となっている。
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