人工知能(AI)技術により、今後、俳優が演じることのできる年齢の幅が広がりそうだ。ベテラン俳優の顔・声を若いころに“戻せる”ようになったからだ。
ディズニープラスオリジナルの韓国ドラマ「カジノ」(先月21日配信開始)で主人公を演じる韓国の俳優チェ・ミンシク(60)がこれを実践している。主人公「チャ・ムシク」を演じるチェ・ミンシクは、実際には1962年生まれであるにもかかわらず、ドラマでは30代の姿で出てくる。
カン・ユンソン監督がドラマの序盤、チェ・ミンシクの若いころのストーリーへの没入度を高めるため、AI技術を活用した。顔にはフェイス・ディエイジング(コンピューターグラフィックスで容姿を若返らせる)技術を、声にはボイス・ディエイジング技術を施し、時間をさかのぼらせた。
ボイス・ディエイジングを手掛けたのは、韓国のAIオーディオソリューション・スタートアップ「スーパートーン」。コンテンツ事業本部のイ・スンボク本部長は「30代には年齢相応の覇気、明瞭な発声といった特徴が必要だ。シナリオや制作陣の意見を総合し、30代特有の感覚を表すことに重点を置いた」と振り返った。
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