2025 年 10月 2日 (木)
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住民登録から金融・不動産まで停止…韓国政府データセンター火災で行政サービス大混乱

ソウル鍾路区庁に「無人民願発給機利用不可」の案内文が掲示されている(c)news1

韓国大田市儒城区にある国家情報資源管理院の本院で発生した火災により、政府の基幹システムが週末から全面停止した。9月29日は週明け最初の平日で、住民登録証の再発行や郵便・金融・医療・不動産・教育関連など、日常生活に直結するサービスが広範囲に停止する事態となり、大規模な行政マヒが懸念されている。復旧には少なくとも2週間を要する見通しだ。

火災は9月26日夜、リチウムイオン電池の移設作業中に発生し、サーバー機器740台とバッテリー384台が焼失した。原因は老朽化や作業過程での事故など複数の可能性が取り沙汰されている。設置は2014年8月で、使用年限は10年とされていた。行政安全省によれば、2025年6月の点検では正常と判定されており、交換勧告もなかったという。

同省中央災害安全対策本部の発表によれば、停止した行政情報システムは647件にのぼる。このうち28日午後10時までにモバイル身分証や郵便局金融、保健福祉関連システムなど30件が復旧したが、直接被害を受けた96件の回復は遅れている。代表的なサービスである「政府24」「国民秘書」「情報公開システム」「オンナラ文書」「安全申告」などは停止中だ。

郵便局の金融サービスは28日午後9時に全面再開したが、郵便や宅配は点検段階で、遅れれば手作業受付に切り替わる可能性がある。裁判所の電子訴訟ポータルやインターネット登記所も一部機能が利用できず、インターネットやモバイルによる不動産取引申告や住宅賃貸契約申告も停止した。国土交通省は、今回の火災に伴う取引申告遅延には過料を課さないと発表した。

一方、保健福祉省の福祉ポータル「福祉路」は接続不能となり、生計・住宅給付のオンライン申請や受給証明書の発行ができない。患者の診療記録を転送するシステムも障害が発生し、病院間での情報共有が不可能になっている。全国の葬祭場や火葬施設を検索・予約する「eハヌル葬事情報システム」も利用停止中だ。

ソウル市では411件のシステムのうち、住民向け38件と内部業務26件を含む計64件が中断または障害を起こした。教育関連証明書発給サービスも「政府24」と連携しているため停止し、各教育庁や学校での対応が必要となっている。国家総合電子調達システム「ナラジャンター」も全面停止し、調達庁は入札を延期している。

(c)news1

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