現場ルポ
電気自動車時代が目前に迫る一方、今も電気自動車の購入をためらう消費者が多い。走行距離や充電時間など充電に対する懸念が高まり、市場成長の足かせになっている。純電気自動車(BEV)は昨年、3桁の成長率を記録しているものの、それでも車市場全体の約6%のレベルだ。
電気自動車は果たして充電の懸念を払拭し、内燃機関車を完全に代替できるだろうか。
夏休みシーズンの先月29~31日、電気自動車に乗って都心を離れた。
電気自動車は「都心型セカンドカー」というイメージが強いが、オンシーズンである休暇シーズンに充電スタンドが不足している地方で内燃機関車のように楽に走れるか――これを点検するという趣旨だった。
結論から言おう。オンシーズンの電気自動車の運用は難しい。
車両の問題ではない。実験に使った電気自動車は「BMW i4 eDrive40」。1回の充電時の走行距離は429キロ、急速充電(200キロワット)10分で走行距離164キロを確保できる。400キロを超える優れた走行距離と、高い充電速度を備えている。
オンシーズンの充電需要に供給が追いつかない。道路上の電気自動車が多くないにもかかわらず、適切な場所にある充電所を適時に見つけるのが難しい。「ソウル―原州(ウォンジュ)―軍威(クヌィ)―ソウル」という2泊3日の旅行で、走行距離は計580.9キロ。「BMW i4 eDrive40」の走行距離を上回る旅程において、充電は2回だけで十分だった。
だが、いざ充電しようとすると困難だった。
まず、宿舎のほとんどに、電気自動車の充電スタンドがない。したがって、宿で休みながらの充電ができないのだ。宿から離れた充電スタンドには、道路からはよく見えなかったが、電気自動車が多数待機していた。
2日目に訪れた江原道(カンウォンド)原州のある有名観光地の駐車場には、車数百台が駐車可能だったが、電気自動車の充電スタンドは1カ所しかなかった。
バッテリーが残り50%になった時点で訪れた場所には、青色のナンバープレート(電気自動車専用ナンバープレート)をつけた車両3台が待機中だった。先に駐車していた車の持ち主が充電器を差したまま席を外すと、他の車が入ってきて、その充電器を取り出して自分の車に差した。到着10分前にナビゲーションアプリで急速充電が可能か確認していたが、その間にも車が押し寄せていた。
2時間に及ぶ観光を終えた後、再び訪れた駐車場充電所では、他の車が充電していた。結局、次の場所に移動する前にアプリを通じて急速充電が可能なところを探した。6キロ離れたある体育公園のバス・トラック駐車場だった。それよりも近いところには緩速充電しかなかったり、マンション内の充電スタンドだったりして、使用できなかった。
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