韓国軍合同参謀本部が先月5日、忠清南道(チュンチョンナムド)保寧(ポリョン)所在の大川(テチョン)射撃場で「空中戦力統合実射撃訓練」を実施した。北朝鮮の小型無人機と類似した大きさの無人標的機を飛ばし、実射撃訓練を進める過程で「ハードキル」(物理的)方式のヘリコプター・戦術統制機の機銃射撃で、無人機を当てるのに困難を経験したという。
訓練には仮想の敵無人機と陸軍のAH-1S「コブラ」や500MD「ディフェンダー」ヘリ、空軍KA-1戦術統制機などが参加した。標的に使われた無人機は昨年末、ソウル・龍山(ヨンサン)一帯の飛行禁止区域(P73)を侵犯した北朝鮮の小型無人機(時速約100キロ)より速い時速約150キロで射撃場上空を飛行した。
コブラヘリコプターはKA-1が把握して伝達した標的情報を基に3回にわたり計300発の機銃射撃を実施したものの、1発も無人機に当てられなかったという。
コブラヘリとKA-1が実施したのは「リード射撃」で、動く目標に当てるため、その進行方向を推定して撃つことをいう。予備役陸軍中将によると、空中戦力のリード射撃で敵小型無人機を当てるのは、ゴルフのホールインワンと同様、難易度が高く、「リード射撃では事実上、敵小型無人機を当てられないと見るのが正しい」(同中将)という。
韓国軍は、北朝鮮の無人機探知資産やソフトキルをはじめ、レーザービームなどハードキル対応戦力の確保や関連研究に、今年から5年間、計5600億ウォンを投資する。それまではコブラヘリやKA-1などの従来の戦力が、北朝鮮の小型無人機に対応しなければならない。
予備役陸軍中将は「ソフトキル方式の兵器体系を戦力化するまでには時間がかかるが、北朝鮮の小型無人機は大きな脅威にならないため、数年の空白を埋めるために別途の兵器体系を作るのは意味がない」と指摘している。
(c)news1