「私がコンビニでアルバイトをしていた時、このようなグループチャットルームがあったら力になったと思います」
韓国のSNSで最近流行しているいわゆる「物乞いルーム」の中のチャット内容を見たある20代会社員の話だ。自分の支出の状況を互いにシェアし、節約する匿名のネットユーザーを見て、彼は大学時代にアルバイトをしていた自分の姿を思い出したという。
韓国のオンライン空間でMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)中心に新たな形態の「支出しないチャレンジ」が流行している。匿名のカカオトークオープンチャット空間で、自分の支出の内訳をシェアしてフィードバックを受ける一種の遊び文化だ。
「物乞いルーム」という名前で検索できるカカオトークオープンチャットは17日現在、100余りに達する。ほとんどのチャットルームでは匿名のIDと本人の目標支出を要求する。支出が発生すると、目標支出から金額を差し引く。
他の参加者がその支出を評価して、笑い合い、互いに共感しあう。これがSNSで人気を集めている。
例えば、この日、ある「物乞いルーム」では「ティント(リップ系コスメアイテム)を買ってもいいの?」という質問がでてきた。これに対し、ある参加者は「唇をぎゅっと噛んで赤くさせろ」と答えた。
専門家らは、こうした文化が物価高時代にあえいでいる若い世代がユーモラスな姿を見せ合いながら連帯していると分析した。
仁荷大学消費者学科のイ・ウンヒ教授は次のような見解を示す。
「近い過去にYOLO(You Only Live Once=人生は一度きりだから今の幸福を最大限追求する)やフレックス(FLEX=お金があることを見せびらかす)など消費を誇示する雰囲気があったことと対比できる。支出を減らすのは容易ではないが、物価高や不景気を克服できるよう互いに肯定的に支えあっていると評価できる」
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