2024 年 12月 22日 (日)
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人件費、電気代が半分に…AIによるオフィス自動管理スタート (下)

Startup Story ~~ 成功のカギ

アリコーン(Alicorn) チョ・ミンヒ共同代表

執務室(写真=アリコーンホームページ)©KOREA WAVE

◇3人で全支店を管理する「無人オフィス」

「AI・CCTV(監視カメラ)が管理所長」。この「執務室」には特に管理者は置かず、本社職員3人が全支店をモニタリングする。従来の常駐管理から、循環管理体制に変えて運営している。AIやモノのインターネット(IoT)を活用した「空間自動管理技術」によって無人共有オフィス化したということだ。

使いやすい空間を提供するとともに、人件費や電力使用費などは半分近く節減できるというわけだ。

例えば、ユーティリティルームに置かれたティーテーブルのビスケットや果物、キャンディーなどが減る。CCTVが「充足状態」「管理が必要な不足状態」などと識別して、お茶菓子を補充するように本社に知らせる。季節ごとに異なる日の出・入りの時刻を把握して照明の明るさを調節し、最後の利用者が退室すると空間全体の照明が自動的に消える。

出入り口でQRコードをかざして扉が開いた時、2人が同時に入室するとCCTVが「不法侵入者」という警告を出す。

座席の使用状況が自動的に統計にされ、利用者は事前にアプリで、執務室の支店別混雑度合いを確認できる。

「日中は働きやすい快適なビジネスラウンジに仕立てます。夜は日没時間に合わせて照明や音楽などが自動的に変化して、空間の雰囲気を転換します。統計を見ると、利用者の5分の1(19.2%)が午後6時から翌日午前9時の間に仕事をしていました」

チョ・ミンヒ共同代表はこんなデータを口にした。

執務室(写真=アリコーンホームページ)©KOREA WAVE

◇企業ら「執務室のエンタープライズ」に関心

執務室のこうしたソリューションが口コミで広がり、ハイブリット環境を構築・支援しようとする大企業・中堅企業を中心に問い合わせが大幅に増えたという。

一方、アリコーンは、執務室に設置したソリューションの一部を「執務室の扉」という別商品として開発し、今年4月から販売に踏み切った。

執務室入り口(写真=アリコーン)©MONEYTODAY

執務室の出入り口に、QRコードを認識する四角い小さなボックスを設置する。職員は執務室アプリのQRコードを読み取るだけで出入りができる。カードや指紋の登録は不要だ。このシステムがあれば、会社側は、社員が分散された場所で勤務していても、その状況を一目で把握することができるのだ。

「従来の中小型オフィス空間に、執務室のオフィスOSを導入したいという連絡が、ビルオーナーから相次いでいます。古い従来のオフィスが“昔のよろずや”だとしたら、執務室のOSを適用したオフィスは“現在のコンビニ”と言えるでしょう」

チョ・ミンヒ共同代表はこう例えた。コンピューターOS「Windows」のような、空間を効率的に運用できる技術の研究・開発を続け、顧客満足度を高めたいという。

アリコーンは昨年、韓国不動産KTエステートと分散オフィスの共同事業推進契約を締結した。

韓国各地に散在した古い電話ボックス、無造作に放置された移動通信基地局……。こうしたものを業務空間に転換するプロジェクトだ。

最近では、CCTVを使い、南山スクエアビルの出入りを把握するテストを実施した。ビル全体を管理するうえで、有用なソリューションを開発するのに必要なデータを得るためだ。

「空間が集まればビルになり、ビルが集まれば都市になるじゃないですか。私たちの技術をより広い範囲に拡張していきます。現在の空間OSが、今後『スマートシティOS』に変身していくでしょう」

チョ・ミンヒ共同代表はこう意気込む。

©MONEYTODAY

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