2024 年 7月 27日 (土)
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中国を通じた輸出好況は終わり…尹政権が「脱中国」叫ぶ3つの理由 (下)

空軍1号機で機内記者懇談会を開くユン大統領©MONEYTODAY

◇成長鈍化と内需中心戦略への転換

第二に、交易環境の変化に伴う避けられない選択だという観測だ。

中国は依然として韓国の最大輸出国だが、輸出の割合が少しずつ減っており、政府としては代案を模索せざるを得ないということだ。

産業通商資源省と韓国貿易協会によると、韓国の全体輸出で中国が占める割合は2018年に26.8%、2019年に25.1%、2020年に25.9%、2021年に25.3%と下降傾向にあり、今年1~5月には23.4%にとどまった。チェ首席が言及したように、中国の成長鈍化と内需中心戦略への転換が主な原因に挙げられる。

対外経済政策研究院(KIEP)のソ・ジンギョ研究委員は「中国が自国の技術を発展させることにより、これまで韓国から輸入してきた主要品目を国産化している。こうした影響などにより、対中国輸出の割合は減っている」との認識を示す。そのうえで「韓国にとって中国は依然、重要な市場だ。だが、過度な依存を減らして、多角化を模索する必要がある」とも警告している。

◇戦略的に西側を選択

第三に、ユン政権が米中覇権競争で米国が当分、優位を維持すると判断したためではないか、という分析が出ている。

米中覇権競争が続く中、ロシアのウクライナ侵攻が長期化し、国際社会では「西欧対中露」構図の新冷戦が現実化している。このため韓国政府は中立・均衡外交を固守するのは難しいと判断し、戦略的に西側を選択したということだ。

ユン大統領が就任後初の海外出張として西側諸国の軍事同盟であるNATOの首脳会議を選択したという点から、このような雰囲気を読み取ることができる。韓国大統領がNATO首脳会議に出席したのは今回が初めてだ。

だが、こうした選択が中国の経済報復措置につながるのでは、という懸念も出ている。

2016年には最新鋭迎撃システム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」の配置決定後、中国が韓国に対する経済報復に乗り出し、韓国企業が大きな被害を受けた。今回「第2のTHAAD問題」が発生する可能性があるということだ。

中国外務省の趙立堅副報道局長は先月30日の定例記者会見で、日本や韓国などアジア・太平洋地域国家のNATO首脳会議参加に関する質問に「NATOの動向を注視する。中国の利益を害する状況を座視しない」と述べた。これに関連してユン大統領は同日、帰国途中の機内懇談会で「NATO首脳会議への出席が特定国家を排除したりすることではない」と強調している。

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