2024 年 10月 13日 (日)
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下半身麻痺でも歩けるように…韓国のウェアラブルロボット専門研究所を訪ねた (下)

筋骨格を保護するための産業用ウェアラブルスーツブランド「エンジェルギア」(c)KOREA WAVE

◇「デジタルヘルスケア分野へ拡張」

エンジェルロボティクスは、この施設を活用してウェアラブルロボット市場を拡大し、デジタルヘルスケア分野にも進出したい考えだ。

コン代表は「さまざまな実験環境で収集したデータを活用し、AIベースのデジタルヘルスケア市場にも拡張していく。医療分野を超えて、家庭や日常生活にも市場を広げていきたい」と語る。

エンジェルロボティクスは、この施設を開放し、さまざまなロボット研究の機会を提供する。すでに多くの大学の研究者や企業、政府出資の研究所が訪問しており、ある研究所からは日常環境を模したトラックを四足歩行ロボットの実験に使用してもよいかという問い合わせがあったそうだ。

「商用化されたウェアラブルロボットだけでなく、さまざまなロボット技術の研究者に自由に技術力を発揮できる機会を提供し、ビジネスに結びつける役割も果たしたい」

ユン代表はこう強調した。

ワークオンスーツを着用して歩行する下半身麻痺の研究員(c)KOREA WAVE

◇「着用後すぐに適応」

ここでは、年内に発売が予定されている股関節を補助するウェアラブルロボット「エンジェルスーツH10」を実際に体験できる。スーツは日常生活で歩行や運動を補助するために設計されたロボットブランドで、股関節補助ロボット「H10」と、膝関節補助用「K10」が今年発売される。

H10は股関節機能を補助し、歩行能力と安定性を向上させる製品で、腰と膝のストラップで簡単に装着できる。着用者の歩行意図を感知し、歩行パターンを分析して積極的に補助するのが特徴だ。

ロボットを装着すれば、直ちに足が軽くなる。直後には違和感があるものの、1~2分の使用で体がロボットの補助力に適応する。ロボットを外して歩けば、「体がこんなに重かったのか」と感じるという。

駆動機が腰の左右に位置しており、太ももの外側に接続されたフレームが動力を伝達する。片足だけを補助する片側タイプと、両足を補助する両側タイプがあり、両側タイプの重さは2.5kgだ。2650mAhのリチウムイオンバッテリーを搭載している。

◇「技術で人間の能力を再創造…豊富な想像力で研究を拡張」

プラネット大田の一角に掲げられている言葉がある。

「私たちは互いの違いを受け入れ、それぞれの可能性を信じる」

ロボットではなく人間の能力を研究し、技術で人間の能力を再創造するエンジェルロボティクスの使命と経営哲学がうかがえる。

コン代表は約20年間にわたり、ウェアラブルロボットで世界を変える、という信念のもとで研究を続けてきた。韓国LG電子の投資を受け、2017年にエンジェルロボティクスを創業し、今年3月に韓国新興市場「コスダック」に上場した。

エンジェルロボティクスは国防領域やコンテンツ市場にも販路を模索している。コン代表は「ウェアラブルロボットを中心に自立した生態系が形成されつつある。さまざまな可能性を想像しながら開発に取り組んでいる」と語る。

(c)KOREA WAVE

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