エンデミックが近くなり流動人口が増えると流通業界全般にポップアップストアのブームが起きている。ポップアップストアを通じて差別化された経験を提供し、消費者との接点を拡大し、ブランドを印象付ける機会にしている。
ポップアップストア仲介プラットフォームの「スイートスポット」によると、ポップアップストアの実施件数は5月に131件で、新型コロナウイルス感染発生初期の2020年5月の59件に比べ2倍以上増えた。消費者の日常と接している流通業の特性上、ポップアップストアが他業界に比べて活発だ。
流通業界でポップアップストアは、約3年ぶりに家の外に出始めるリベンジ外出客を取り込むためのマーケティング手段として活用されている。少ない費用で運営できるのも長所だ。
話題を集めている代表的なものがGS25のGS WON(ジーエスウォン)ポップアップイベントだ。
GS25は「パク・ジェボム焼酎」と呼ばれる「WON SOJU」のワンスピリッツとコラボし、5月31日から今月6日まで、釜山(プサン)でポップアップストアを開いた。WON SOJU製品と、多様なファッションブランドとのコラボを通じて製作されたファッショングッズを限定で販売した。オープン初日の未明からオープンラン(開店とともに売り場に殺到)現象が起き、当日用意された数量(3000本)がすべて売り切れた。連日売り切れとなり、WON SOJUは釜山ポップアップストアだけで計1万2000本が売れた。
GS25は5月21日から今月12日まで、ソウル・聖水洞(ソンスドン)でブランドポップアップストア「ガッセン企画室」を開いた。ガッセン企画室は仮想人物である1996~2010年生まれのZ世代会社員「キム・ネネプ」の日常空間を表現する方式で作られた。1日1000人余りがガッセン企画室を訪れ興行に成功した。両ポップアップストアが相次いで成功し、GS25はMZ世代に訴求する業者というイメージが強くなった。
イーマート24は今月2日、MMORPG「黒い砂漠」、ブランドプラットフォーム「マストイット」とコラボし、三清洞(サムチョンドン)にポップアップストア「24BLACK」をオープンした。今月末まで一時的に運営され、従来のイーマート24三清洞店はこの期間中、華やかな照明で売り場の前面が飾られる。内部は訪問者が黒い砂漠ゲームの中の一つの空間に存在しているように感じる構成した。
イーマート24関係者は「ゲームが好きで、異色の見どころ・楽しみどころを探し求めるMZ世代に、今回の売り場が大きな反響を得ると期待している。実際、反応が大きい」と話した。
これに先立ち、イーマート24は先月27日まで、同じ売り場でアウトドアブランドのコーロンスポーツと協業して、三清洞店に「ソッソット」ポップアップストアを運営した。当時も運営期間中に売り場訪問客が1万5000人余りに達し、売上は直前の同期間に比べ30%以上増加した。
ロッテ百貨店もポップアップストアとして「MZ世代お迎え」に乗り出した。ロッテ百貨店が5月31日~今月12日、ソウル・聖水洞にオープンして運営した「シシホシ」ポップアップストアには1万人余りが押し寄せた。
イーマート24マーケティング担当のシン・ホサン常務は「ポップアップストアは一つの売り場だが、異色の経験を重視するMZ世代の歓心を引き、実際の訪問につなげることで、すべての売り場に役立つ重要な媒体といえる。流動人口が大きく増えたことにより、ポップアップストアのようなオフラインに基づく変わった経験を提供するマーケティングが拡大すると予想される」と話した。
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