2024 年 12月 26日 (木)
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ポケモンパンブーム「売れて売れて」

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3日、ソウル市内のコンビニに陳列されたポケモンパン©news1

「たくさん売りたいのですが、物がないので売れません」。ソウル市内のコンビニエンスストアのオーナーはこう話す。

韓国のパン・食品素材製造・流通「SPCサムリップ」によると、先月24日に発売されたポケモンパンは、1週間で販売数150万個を突破した。自社ベーカリーの新製品の同期間の平均販売量の6倍以上高い数値であり、昨年発売されたほかのキャラクターパンと比べても1週間ほど早いテンポだ。

ポケモンパンは1990年代生まれのノスタルジアを刺激し、興行に成功している。インスタグラムには3日の時点で、ポケモンパン関連の書き込みが1万件を突破しようとしている。

小学生らの間でポケットモンスターが再び人気を集めていることも、興行に一役買ったという見方だ。最近、小学生らの間ではポケットモンスターのキャラクターカードが品切れになっているという。

◇「オープンラン」も登場

ポケモンパンは発売当日の未明から、購買認証SNSの掲示文が登録され、いくつかのコンビニ前に一部の消費者がパンの配送車両を待つ「オープンラン」(売り場が開かれるとすぐ走って購入する)現象まで起きて話題になった。

セブンイレブンのコンビニ店主はこう話す。
「1日に1、2本残る時がある。だが、ほとんど売れる。20代後半や30、40代の方がたくさん買っていくようだ」

ソウル城北区でCUコンビニを運営するキムさんは「物が入るや否や売れる。年齢に関係なくたくさんの人が探している」という。

1週間で150万個を記録するなか、最もよく売れる製品は「帰ってきたロケット団チョコロール」。全体販売量の40%を占める。

先月23日午前、ソウル市内のコンビニにポケモンパンが陳列されている©news1

◇「生産が需要に追いつかない」コンビニ発注制限

ポケモンパンの高い人気に、需要に追いつかない。3日からセブンイレブンとCUはパン1個あたりの発注数量を2個に制限した。同日から発注が始まったGS25も、発注数量は2個に制限される。

あるセブンイレブン店主はこう話す。
「人気がいつまで続くかわからない状況で、今一つでも多く売りたい。だが発注量が5個から2個に減らされた。今はどの商品よりもポケモンパンがよく売れている」

入荷量が減り、しばらくポケモンパンを手に入れるのはさらに難しくなる見通しだ。業界関係者はこう漏らす。「よく売れる時にたくさん売りたい。だが需要があまりにも多く、供給が難しい。発注制限がかかって残念だ」

「現在、生産量をフル稼働しても足りない状況」というのがSPC関係者の悲鳴だ。

◇ティブティブシール売買の中古取引も活性化

ポケモンパンの購入は、パンを食べるためというより、中に入ったキャラクター「ティブティブシール」を集める目的が強い。それだけにティブティブシールだけを中古で取引しようとする人も増えている。

韓国の中古取引プラットフォーム「中古ナラ」では「2022ポケモンパンティブティブシールを買います」「ポケモンティブティブシール(2002)未開封販売します」「22ポケモンティブティブシール全種買います」などの取引が掲載されている。特にポケモンパンの「ティブティブシール」を取引するカフェも登場するほど、「ティブティブシール」集めのブームが再び起こっている。

ティブティブシールだけを売るという書き込みもある。パンを買わずに得た ティブティブシール700枚を1枚800ウォンで売るという内容だったが、現在は削除されている。SPC側によると、こうした書き込みをしたのはSPC職員や関係者ではないことが確認されたという。

SPC側は今後、新製品を発売し、人気を保つ方針だ。参加型イベントを通じて、消費者にどんなポケモンが人気なのか把握したあと、5月中に新しいパンを発売する計画だ。

©news1

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