ソウルや仁川など首都圏は21日未明から雪が降り、待ちゆく人たちは寒さに震えていた。この厳しい寒さに文字通り凍えているのが、考試テル(考試+ホテルの合成語。2畳程度で仕切った宿泊施設)に住む低所得者たちだ。
ソウル市龍山区(ヨンサング)のある考試テル。18日、部屋の中には冷気が充満していた。3坪余りの小さな空間の中で、それでも温もりを感じられる箇所は、古いホットカーペット1枚分。成人男性1人がやっと横になれるスペースだ。
ここに住むチャさん(80)は10年前まで、ソウル駅近くの木造賃貸住宅「チョッパン」に住んでいた。しかし、冬の寒さが厳しくなり、引っ越してきた。「5年間住んでいたチョッパン村では、主人が“危ない”という理由でホットカーペットを使えないようにした。ここは寒いけれど、ホットカーペットは1枚ある」
もちろん、古いホットカーペット1枚で、真冬の寒さをしのぐことはできない。
とにかく隙間風がひどい。布団に入れば体は少しは温まる。だが、顔は冷たいままだ。だから頭まで布団をかぶり、縮こまって寝るしかない。
考試テルの建物3階の床には、設置されて10年以上たった電気パネルがある。
かつて考試テルの管理人が電源スイッチを入れたり消したりを繰り返していたが、最近は漏電の危険が高まったため、それは使われなくなった。
暖房改善のためには電源スイッチをすべて取り外し、新たに工事をしなければならない。だが、考試テル側にその余力がない。その結果、今年の冬に限って、一時的に、ホットカーペットを宿泊客に提供することにした。
考試テル側も厳しい状況なのだ。
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