
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が24日、キム・イルソン(金日成)政治大学訪問の際に着用した帽子が、21年前にロシアのプーチン大統領が着用した帽子と酷似していることが確認された。さらに、この帽子がプーチン大統領からの贈り物である可能性も指摘されている。
党機関紙「労働新聞」が25日に公開した写真によると、キム総書記はロシア伝統の防寒帽「シャフカ」をかぶり、軍の幹部らを視察した。この帽子は、かつてキム・イルソン主席も着用していたもので、旧ソ連の影響を受けた可能性がある。
キム総書記は2020年2月にも朝鮮人民軍の合同打撃訓練を視察する際にシャフカをかぶっていた。しかし、今回の帽子は特にデザインが独特で、一般的なシャフカとは異なり目を引く特徴がある。また、北朝鮮国内で同様のデザインのシャフカを着用した例は確認されていない。
興味深いのは、このシャフカとほぼ同じデザインの帽子をプーチン大統領もかぶっていたことだ。プーチン大統領は2004年2月17日、ロシア・ムルマンスク州のセヴェロモルスク沖で海上訓練中の潜水艦「アルハンゲリスク」に搭乗した際、同様のシャフカを着用していた。
このため、昨年6月と9月に開かれた両首脳の会談の際に、プーチン大統領がキム総書記にこの帽子を贈った可能性もあると推測されている。
さらに、両首脳とも軍事関連のイベントでこの帽子を着用していた点も注目される。専門家の間では、現在の北朝鮮軍のロシア派遣や武器供与をめぐる露朝の軍事的結束を象徴する場面ではないかとの見方も浮上している。
特に今回の視察で、キム総書記が軍の政治指導者に向けて「思想武装を強化せよ」と強調したことも、露朝の軍事関係を示唆していると考えられる。
また、今回の視察が、ウクライナで捕虜となった北朝鮮軍兵士が「韓国への亡命意思」を示したインタビューが報じられた直後だったことも、北朝鮮内部の動向と関連がある可能性がある。キム総書記がロシア風の帽子を着用したことで「ロシアへの軍事支援を継続する必要がある」とのメッセージを北朝鮮の軍幹部に送ったのではないかとの分析も出ている。
キム総書記の帽子選びが単なる偶然である可能性も否定できない。だが、一部では、今後も同じ帽子をかぶって軍関連の視察に現れる場合、北朝鮮とロシアの結束を示すもう一つの証拠として考えられるだろうという見方が出ている。
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