2024 年 7月 27日 (土)
ホーム経済OTTネトフリ「イカゲーム」VSアップル「パチンコ」…韓国コンテンツで激突(下)

ネトフリ「イカゲーム」VSアップル「パチンコ」…韓国コンテンツで激突(下)

写真提供=Netflix©STARNEWS

◇芯に火がついた「アカウント共有禁止」爆弾

ネットフリックスは先月、第1四半期(1月~3月)の実績を発表し、11年目にして四半期の有料加入者数が20万人ほど減った、と明らかにした。その後、348.61ドルに達したネットフリックスの株価は、約1週間後に198.4ドルに急落した。

ネットフリックスは株価暴落の事態と関連し、こんな株主書簡を明らかにした。

「会社の成長がかなり鈍化した。ネットフリックスのコンテンツは世界的に人気があるが、アカウント共有などで逆風に遭った」

実績悪化の原因が「アカウント共有」だと指摘したのだった。

現在、ネットフリックスはスタンダード料金で最大4人までアカウントを使うことができる。それゆえ、家族をはじめ、他人とアカウントを共有して使う場合が多い。ネットフリックスは「世界的にアカウント共有を通じて無料でサービスを利用する人が1億人に達し、損害が大きい」と主張している。

税金問題やネット使用代価の場合、利用者には直接的な悪影響が及ばない事案だった。ところが、「アカウント共有」問題は質が違う。利用者の負担、払わなければならないお金が増えるという性格のものだ。来月から直ちに数千ウォンの視聴料をさらに支払うよう求められれば、敏感に反応するしかない。

◇「パチンコ」でKコンテンツに挑戦状を出したアップル

ネットフリックスが内部問題に頭を悩ませているなか、ライバルたちは虎視眈々と機会をうかがっている。

現在最も注目されているのは、もう一つの「グローバル恐竜」であるアップルの動画配信サービス「アップルTV+(プラス)」だ。オリジナル作品である「パチンコ」が順風に乗っている。

アップルは「パチンコ」の視聴者数や関連収益を公式に明らかにしていないが、韓国内外で莫大な人気を集めた。

アップルがYouTubeを通じて公開した1話の場合、照会数が1500万件余りに迫った。OTT統合検索およびコンテンツ推薦プラットフォーム「キノライツ」によると、「パチンコ」は統合コンテンツのランキングで2週連続(3月5週目~4月1週目)1位を占めた。5月1週目も5位に名を連ねている。

キノライツのランキング統計は、韓国で提供中のOTTコンテンツと、劇場上映中の映画を含めたトータルで計算される。新たなコンテンツが次々に登場するという点を考え合わせれば、「パチンコ」は相当期間、高い人気が続いているということだ。こうした声援を受け、アップルTV+は「パチンコ」のシーズン2の製作を公式化している。

ネットフリックスがネット利用対価問題などで対立を繰り広げているのとは異なり、アップルTV+はネット利用料を支払っているという点も強みと見られる。アップルTV+は、韓国内ISPにネット利用料を払っているグローバルCDN事業者と契約を結び、トラフィックを処理しているという。

韓国内外のOTT市場で最も強い影響力を行使してきたネットフリックスが浮き沈む。同時にライバルの躍進が始まり、今後の市場の構図にも注目が集まっている。

韓国内OTT業界の関係者は「ネットフリックスが停滞することはあっても、しばらくは強力な影響力が続くだろう」と見通す。そのうえで次のような認識を示した。

「ネットフリックスが利用者を意識せずに料金を上げたり、アカウント共有も禁止できるのは結局、市場を支配しているという証し。他社と競争状態であれば、取りにくい措置のはずだ。今後、ネットフリックスはコンテンツへの攻撃的な投資を通じて、市場の独占的地位を強化しようとするだろう」

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