2024 年 12月 9日 (月)
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ソウル首都圏に水素バス1000台導入…2027年までに

現代自動車が製造した水素バス(c)KOREA WAVE

韓国SKのエネルギー子会社であるSK E&Sは28日、KD運送グループ、現代自動車と27日に「首都圏エコ水素モビリティー生態系造成」のための業務協定を締結したと明らかにした。協力してソウル首都圏で運行されている内燃機関バスをエコ水素バスに転換する。国内最大の旅客運輸会社であるKD運送グループが水素バスへの転換に乗り出し、水素バスの導入にも拍車がかかる見通しだ。

締結行事にはSK E&Sのチュ・ヒョンウク社長、KD運送グループのホ・サンジュン社長、現代自動車のチョン・ユソク副社長らが参加した。

協力によりKD運送グループは今年の100台を手始めに、2027年までに計1000台の首都圏広域、市内、空港バスを水素バスに転換する。また、首都圏にある車庫を液化水素ステーションのための敷地として提供する計画だ。現代自動車は水素バスの適期供給に協力し、首都圏内のアフターサービス網の拡充及び水素生態系の強化に向けた水素モビリティー車種の多角化に乗り出す。

SK E&Sは、首都圏にあるKD運送グループの車庫などに液化水素ステーションを6カ所以上建設し、水素バスの燃料を安定的に供給する役割を担う。SK E&Sは今年上半期から仁川市元倉洞(インチョンシ・ウォンチャンドン)にある液化水素プラントで液化水素を生産する計画だ。この他にも、3社は充電所の運営、液化水素運送など、今後の水素事業全般にわたって協力を強化することにした。

KD運送グループは、韓国で18の旅客運輸会社と約5000台のバスを保有する国内最大の陸上運輸会社で、京畿道広域・市内バス(約1万1000台)の30%以上を運行している。

右からSK E&Sのチュ・ヒョンウク代表取締役社長、KD運送グループのホ・サンジュン代表取締役社長、現代自動車のチョン・ユソク副社長=SK E&S(c)KOREA WAVE

自治体も相次いで水素バスへの転換計画を発表し、輸送用水素生態系は着実に拡大している。仁川市は水素バス先導都市の造成を目標として今年中に700台を導入する予定だ。この他に釜山および京畿道内の平沢、城南、利川、高陽などの地方自治体も水素バス転換に加わっている。

長距離運行に主に使われる軽油を使う大型バスは、一般乗用車に比べて温室効果ガスを30倍、微小粒子状物質(PM2.5)を43倍以上排出し、大気汚染の「主犯」とされている。このため、専門家らは輸送分野のカーボンニュートラル達成のために、大型バスのエコカーへの転換が欠かせないと指摘する。

環境省によると、軽油を使うバス1000台を水素バスに転換すると、年間6万2000トンの二酸化炭素と年間30トンのPM2.5を低減し、300億ウォン以上の環境便益が発生する。また、交通が密集している首都圏地域で運行量が多い広域・市内バスを水素バスに転換すれば、温室効果ガスの排出量を減らすことができる。

KD運送グループのホ・サンジュン社長は「公共交通のカーボンニュートラル実現のためには、人口・交通の最大密集地域であるソウル、京畿地域のエコ水素バスの導入が必須だ。KD運送グループは大気環境の改善および政府のエコ政策に貢献するため、2024年の100台から始め、保有車両の約50%である約2500台を水素バスに転換していく」と述べた。

また、現代自動車のチョン・ユソク副社長は「水素バスは国民の実生活領域で炭素の排出を減らすうえ、道路上のPM2.5まで削減することができ、公共的利益が非常に大きい究極のエコモビリティーだ。現代自動車は水素社会への転換を加速させることができるよう、多様な水素車両の開発と共に、これを安定的に運用できる先導的な技術開発と支援を持続していく」と明らかにした。

さらに、SK E&Sのチュ・ヒョンウク社長は「韓国の未来新産業の育成および輸送分野2030 NDC目標達成のために、液化水素基盤の水素生態系構築および大型バスなど商用車の水素自動車転換加速化が必要だ。SK E&Sは競争力のある液化水素供給と充電インフラ構築を通じ、水素商用車生態系造成および2030 NDC目標達成に寄与する」と強調した。

(c)KOREA WAVE

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