
ソウルの賃貸住宅の平均家賃が105万6000ウォン(約11万5000円)と100万ウォンを超えたことがわかった。会社員の平均月給のほぼ3分の1に当たる。保証金の平均は1億5000万ウォンに迫っている。韓国独特の賃貸取引形態である「伝貰(チョンセ)」への懸念も影響しているようだ。
韓国不動産院によると、ソウルの住宅(マンション・一戸建てなど)の保証金は5月時点で平均1億4695万1000ウォン、家賃は平均105万6000ウォンだった。統計庁が今年2月に発表した2021年のサラリーマンの平均所得333万ウォンと比較すれば、月給のほぼ3分の1が家賃ということになる。
特にマンションの家賃は他の住宅より高めで、5月の保証金は平均1億9788万9000ウォン、家賃は124万ウォンだった。
韓国には、賃貸契約時に保証金をまとめ払いして契約期間中は家賃を払わず、退去時に全額返還を受ける「伝貰」という賃貸システムがある。しかし、不動産価格が暴落すると、チョンセの供給が需要を上回って伝貰価格が下落し、家主が立ちゆかなくなる「逆伝貰」現象が起きかねない。
ソウル市龍山区(ヨンサング)の仲介業者関係者は「逆伝貰への憂慮などで家賃の物件が好まれる傾向にある」と話した。実際、逆伝貰の危険がある世帯の割合が大幅に増え、家主から保証金を返してもらえない事態が大挙発生しかねないという見方もある。
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