2024 年 12月 22日 (日)
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ソウルで相次ぐ幼稚園閉園、高まる「公私立・幼保一元化」望む声

ソウルのある幼稚園に登園する子供たち(c)NEWSIS

ソウル市内で私立幼稚園の閉園が相次いでいる。2018~22年に閉じたのは計190カ所。公立幼稚園は一つも閉園していない。出生率の低下による学齢人口減少が幼稚園や学校を直撃する中、公・私立や幼稚園・保育園に分かれた園児の受け入れ体系を一元化するべきだという指摘が出ている。

ソウル市教育庁によると、閉園した私立幼稚園は▽2018年27▽2019年63▽2020年49▽2021年26▽2022年25――の計190カ所。公立幼稚園とは対照的だった。

昨年10月、育児政策研究所が主催した討論会では、昨年495カ所あったソウル市内の私立幼稚園が28年には60%減の201カ所になるとの見通しが示された。

また、韓国教育開発院の教育統計によると、国内の公立幼稚園は2018年から22年にかけて315カ所(6.6%)増加したが、私立幼稚園は774カ所(18.4%)減少した。2017年に幼児教育の公共性を強化する方針が示されたことを受けて公立幼稚園が増えているが、私立幼稚園の減少スピードはこれを上回っている。

私立幼稚園は公立の幼稚園や小中高とは異なり、政府予算による支援がないため、園児の減少がそのまま赤字に直結している。育児政策研究所のパク・チャンヒョン未来教育研究チーム長は「私立幼稚園は教師が5~6人いれば月給を払えない状況になる」と話している。

保護者の懸念は小さくない。

昨年4人きょうだいの末っ子が幼稚園に入ったというソウル市内の保護者(42)は「近所に幼稚園が2、3カ所あったが、末っ子を通わせようとするとすべてなくなっていて戸惑った」といい「遠く離れた幼稚園は情報収集が難しく、何かあった時に早く迎えに行くこともできない」と不安を吐露した。

幼児教育の専門家たちは、幼稚園と保育園、公立と私立に分かれた幼児教育・保育機関を統一すれば、園児の需要と供給のバランスを一つの体系内で調節できると見ている。

世界乳幼児フォーラムのチェ・ヒョンジュ副代表は「保育園と幼稚園が別々に管理されているため、同じ地域でもそれぞれどの程度の園児が通っているのか一つのテーブルで把握できていない」とし「省庁の仕切りを崩し、需要を把握して適切に供給することが重要だ」と話している。

私立幼稚園関係者は「保護者が費用を理由に公立幼稚園を選択することがないよう公正な競争環境を作らなければならない。保護者の費用負担を減らす政策が計画通り推進されることを希望する」と述べた。

(c)NEWSIS

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