韓国の就職市場で1位を続けてきたサムスン電子。だが最近、その地位に変化があらわれているという。給料や勤務環境がライバル会社に及ばず、若い社員の離脱が続いているためだ。
DS(半導体)部門では先月、大卒新入社員の年俸を5150万ウォン(約532万円)から5300万ウォン(約547万円)に引き上げた。ライバル会社であるSKハイニックスが7月、新入初任給を5300万ウォンに引き上げ逆転されるや人材を逃さないように合わせたのだ。
福祉の充実も図っている。生活家電事業部は月に一度、午後5時前に退勤できる「ギフトデー(GIFT Day)」を導入した。個人時間をもっと持てという趣旨だ。役員・職員を対象に英語・中国語など語学教育支援も増やした。金融監督院公示によると、今年1~9月、サムスン電子の福利厚生費は前年同期比で23%増えた。
これまでサムスン電子は、就職市場で最高の職場と評されてきた。だが、若い世代がワークライフバランスを重視したり、競争各社の給料が高くなったりしたため、現状では1位は維持できないという認識がある。
ある財界関係者は「3月にSKハイニックスがARM(ソフトバンクグループの英半導体設計子会社)の買収を推進するという知らされた際、サムスン電子の職員の間でこれを応援する言葉が出てきたりもした。SKハイニックスがうまくいけば、韓国国内で転職先ができるためだ」との見方を示している。
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