2024 年 7月 27日 (土)
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カジノ、酒、麻薬…“悪い企業”を選んで投資するETF

カジノのイメージ(本文とは関係ありません)©AFP=news1

カジノ、酒類、麻薬産業など“悪い企業”を選んで投資する上場投資信託(ETF)が米国に登場した。グローバル市場でESGの重要性が浮き彫りになる中、反ESGの関連種目だけを含んでいることが特徴だ。

29日付の米ブルームバーグ通信によると、ニューヨーク証券取引所で22日、「BAD ETF」が発行された。このETFは「BAD投資会社」が開発した「EQM BADインデックス」に追随する。パッシブ運用(目標の指標に連動する運用成果を目指す)され、エクスペンスレシオは0.75%だ。

BADは英語で「悪い」という意味を持つ製品名からわかるように、非倫理事業を営む企業の株式に投資する。カジノ、酒類、麻薬などがテーマのETFだ。こうしたETFが出たのは今回が初めてではない。2017年末発売された「Advisor Shares VICE ETF」も酒やゲームなどを含んでいた。

医療用大麻のETF「グローバルX Cannabis」(POTX)と賭博関連のETF「Roundhill Sports Betting & iGaming」(BETZ)なども関連したものだ。このうちPOTXの場合、バイデン米大統領が医療用大麻の合法化を公約として打ち出した際、今年初期に強勢を見せ始めたこともあった。

BADはETFの中でもESGトレンドに反する商品だという点で独特である。ESGはグローバル市場で脚光を浴びているが、企業の経済活動状況とは無関係に「ESG水準が高い」という理由だけで資金が過度に集中しているという指摘もあった。

BADはこのような指摘を逆発想に利用して、ESG投資ではタブー視するカジノ、酒類、医療用大麻関連産業をそれぞれ3分の1の割合で合わせた。これらの産業が実生活に取り入れられているという理由からだ。

「BAD投資会社」のトミー・マンクーソ(Tommy Mancuso)社長は現地のインタビューで「われわれは何が良い投資かを決めるにあたって、社会的なレッテルが一次的な要因になるべきだとは思わない」と話している。また「投資業界では多少、目を背けられるが、一般生活では広く受け入れられている業種に投資する。このファンドがESG要因に焦点を合わせた一部ファンドよりも、投資たちが何を買い入れているかをより明確に示してくれる」とも話している。

業界関係者は「ESG戦略が流行する中、“悪い”株式に投資することは良い考えではない」と指摘しながらも「むしろESG点数が低い株式への投資が、バブルのない低評価の株式を探そうとする投資家たちへの、一つの代案になるだろう」との見解を示した。

©MONEY TODAY

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