2024 年 5月 22日 (水)
ホーム経済IT/メタバースイ・ジョンジェ監督を育てたカカオエンターテインメント (上)

イ・ジョンジェ監督を育てたカカオエンターテインメント (上)

8月2日午後、ソウルで開かれた映画「HUNT」VIP試写会でポーズを取るイ・ジョンジェ監督©news1

7月27日午後、メディア向け試写会。映画「HUNT」上映後、エンディングクレジットには「監督と制作者一同、以下の方々に、とりわけ感謝申し上げます」という言葉があった。

そこには、カカオエンターテイメントのキム・ソンス代表、映像コンテンツのチャン・セジョン本部長、デサン(大象)グループのイム・セリョン副会長、女優チョン・へジンの夫イ・ソンギュンらの名前がつづられていた。

「監督イ・ジョンジェ」による初めての映画だ。イ・ジョンジェはHUNTの主演俳優でありながら演出を担当した。

「Thanks to」リストに、恋人であるイム・セリョン副会長が記されていたのは予想できた。だが、カカオエンターテイメントのキム・ソンス代表の名前があったのはなぜだろうか。

実は、HUNTの共同制作会社「Sanai Pictures」はカカオエンターテイメントの子会社という縁がある。

HUNTは200億ウォンを超える資本が投資された大型プロジェクトだ。今年、仏カンヌ国際映画祭に招かれるなど期待を一身に受けている。ただ、この一つの映画が完成するまでには、長い歳月と紆余曲折があった。

カンヌ国際映画祭のレッドカーペットを踏むイ・ジョンジェ監督と俳優チョン・ウソン、カカオエンターテインメントのチャン・セジョン本部長(左から2番目)ら©news1

◇HUNTの隠れた主役

「俳優イ・ジョンジェ」は2017年、HUNTの原作シナリオである「南山」の版権を購入して映画化を決めた。その後、イ・ジョンジェは映画「新世界」などを制作した「Sanai Pictures」のハン・ジェドク代表にHUNTのシナリオ草稿を紹介した。ハン代表はHUNTの草稿を肯定的に評価したものの、映画「工作」を手掛けていた時期と重なっていたことから別の制作会社を推薦した。

その間、監督が何度も交代した。「監督を探したが見つからず、監督を引き受けることにした」(イ・ジョンジェのSBSバラエティ番組での発言)そうだ。シナリオも引き受け、脚本を書くことになった。そのシナリオも「到底理解できない」と言われ、当時は「そういった繰り返しの連続が、人の心を切り裂いた」(同)と感じたほどだ。

Sanai Picturesも順風満帆ではなかった。

Sanai Picturesは2018年11月、陶磁器会社「杏南社(ヘンナムサ)」から投資を受け、映画配給「月光」とともに映画投資・配給「スタジオ・サマー」を設立した。しかし、2016~17年に発生した杏南社の会計処理基準違反行為が2019年7月に問題になり、検察に告発される事態となった。スタジオ・サマーが映画会社の投資などの事業を続けることができるか懸念が高まった時期だ。

この時だった。

Sanai Picturesとカカオエンターテイメントの前身「カカオM」の関係が始まった。

カカオMは2019年9月、Sanai Picturesなどの持分引受契約を締結し、筆頭株主の地位を得た。当時、カカオMは娯楽大手CJエンターテインメント(CJENM)のキム・ソンス元代表を迎え入れ、映像コンテンツ事業への進出を考えていた。

双方が良い作品を制作しようということで意見が一致し、買収交渉も早急に進められた。

カカオMがSanai Picturesを買収した翌年の2020年、イ・ジョンジェは自ら修正したシナリオをハン・ジェドク代表に再び紹介し、最終的にHUNTの制作に繋がることになった。

カカオエンターテイメント関係者はこう証言する。

「Sanai Picturesは当時、作品の企画・開発や制作に没頭できていなかった。だが、カカオMと合流して以降、法務や財務のシステムが安定したため、それに没頭できる環境が整えられた」

©news1

RELATED ARTICLES

Most Popular