◇メディア事業の影響力を高めるカカオ
音楽事業を中心に力をつけてきたカカオエンターテイメントが、映像事業を本格化したのはキム・ソンス代表を選任してからだ。
キム・ソンス代表は2011年、CJグループが娯楽大手CJエンターテインメント(CJENM)を発足した当時、放送事業部門代表に。その後、総括代表を務めるなど、放送コンテンツ事業に影響力が大きい。
現在、「STORY & PICTURES MEDIA」「BARAM PICTURES」「LOGOS FILM」「MEGA MONSTER」「Cradle Studio」「KROSS PICTURES」など、映像制作関連の子会社を置いている。
カカオエンターテイメント本社が作品開発や投資、プラットフォームなどのグローバルビジネスネットワークなどを引き受けて支援すれば、子会社は制作に集中できる。こうしたシステムを構築すれば、かなりの成果を期待できる。
まず、映画会社「月光」の初ドラマシリーズ「スリナム(ナルコの神)」が9日から米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)で公開される。映画「工作」「悪いやつら」を演出したユン・ジョンビン監督の初ドラマシリーズであり、ハ・ジョンウ、ファン・ジョンミン、パク・ヘスらがキャスティングされ、多くの関心を集めてきた。
カカオエンターテイメントの子会社「BHエンターテイメント」は、コンテンツZIUMと「ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え」を共同制作している。この作品は既に、ネットフリックスで公開されている。BHエンターテイメントはこの作品を通してコンテンツ制作事業をより積極的に推進する予定だ。
◇子会社間の共同制作プロジェクト
カカオエンターテイメントは今後、制作子会社間の共同制作プロジェクトも積極的に推進し、グローバル向けスーパーIP(知的財産権)を企画、開発する。その過程で、カカオエンターテイメントがIPを保有したウェブトゥーンなどとの相乗効果も得られると期待される。
特に、キム・ソンス代表がカカオのコントロールタワーである共同体アライメントセンター(CAC)の共同センター長を務め、コンテンツ事業部門でのグローバル進出にもスピードを高めていくとみられる。
カカオCACのぺ・ジェヒョン投資総括上級副社長は「HUNTがカンヌ国際映画祭、トロント国際映画祭に招かれたのに続いて海外144カ国で先行販売され、カカオエンターテイメントのグローバルコンテンツ制作力を立証した」と胸を張る。「下半期にはHUNT、スリナムなど、さまざまなコンテンツラインナップをスクリーンとグローバルOTT、TVをはじめとする多数のプラットフォームから公開し、メディア部門はさらなる成長を続けていくだろう」と見通している。
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