海外でも虚偽診断が兵役逃れに最もよく利用されている。
男性だけでなく女性にも兵役義務を課すイスラエルも兵役忌避問題に頭を悩ませている。男性の3分の1が兵役免除を受ける現象が起きており「安全保障強国」という評価が色あせるほどだからだ。
イスラエル兵役法上、18歳以上の男性と女性はそれぞれ32カ月と24カ月間、義務的に服務しなければならない。健康、宗教などの理由で代替服務や免除を許されたごく少数を除いては、全員入隊しなければならない。しかし、2000年代後半から徴集率が低下する傾向にある。
イスラエル軍の資料によると、2020年の入隊対象男性の兵役免除比率は32.9%で、3人に1人の割合で軍に行かなかった。義務服務期間を満たせず除隊する男性も全体の47.9%に達した。女性は44.3%が兵役を免除された。
免除率の増加現象は2007年から続いている。2007年の男性免除比率は25%の水準だったが、2015年に26.9%、2019年に30%に迫った。
免除事例のほとんどは、虚偽の医療記録などを活用した兵役逃れだという。実際、イスラエル警察は2017年、精神科専門医から虚偽の精神疾患診断書の発給を受けて兵役逃れを斡旋したブローカーを検挙した。ブローカーは生涯、律法研究に専念し、入隊を拒否する超正統派ユダヤ人の兵役逃れを手助けしていたことが分かった。
イスラエルでは虚偽の医療診断などで兵役を忌避すれば、最高5年の懲役に処される。兵役逃れの目的で出国した場合、入国時に直ちに逮捕される。
(つづく)
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