韓国化粧品大手アモーレパシフィックが飛躍しようとしている。先月の新安値記録以後、今月だけで株価が20%以上も上昇した。証券業界でも1人、2人と株価を注目している様子だ。
構造調整を通じた体質改善と中国の経済活動再開でターンアラウンド(業績転換)を迎えたというバラ色の見通しが主流をなしながらも、昨年の業績によるベース効果と化粧品市場の競争率強化などが足を引っ張る可能性があるという評価も出ている。
韓国取引所によると、アモーレパシフィックの株価は、今月だけで22.5%(19万ウォン)値上がりし、19万ウォンに届いた。今週だけでも8%以上高騰した。先月に最安値(14万4000ウォン)を記録して以来、反発する様子だ。
最近発表した昨年の実績が、雰囲気転換の原動力となった。売上高は1兆3247億ウォンと前年同期比14.5%増となり、営業利益も256億ウォンと黒字を記録した。市場予測値より45%程度低かったが、持ち直しの兆しを見せたことが高い評価を受けた。
業績を発表した今月9日は3.48%、10日は9.17%と、2日連続株価は上昇した。証券業界は、アモーレパシフィックがトンネルを抜け出し、業績転換に成功するとの見通しを相次いで出している。化粧品市場の成長が主な根拠となっている。
◇コア収益源の化粧品、国内改善はっきり
アモーレパシフィックの売上は、大きく韓国国内(53%)と海外化粧品部門(37%)で構成される。昨年、国内売上は1年ぶりに持ち直し、追加改善の可能性をうかがわせた。第4四半期基準で、オンラインや免税店だけでなく、専門店(前年同期比7.5%)やデパート(同8.1%)などの伝統的な販売経路での売上が成長へと転じたことが大きな評価を受けた。
海外事業の中核である中国でも、持ち直そうとしている。カカオペイ証券によると、昨年第4四半期、中国での売上は10%ほど減少したものの、かえって高級ブランド「雪花秀」は40%成長した。これを受け、ブランド別の割合も、「5(雪花秀):2(ラネージュLaneige):1(イニスフリー)」となった。
カカオペイ証券のホ・ジェナ研究員は「株価反発の要因は中国法人の業績改善だ。下半期のイニスフリーの閉店速度が鈍化し、損益改善傾向が徐々に表れる可能性がある」と見通した。さらに「短期株価の反発より中期業績回復の可能性が肯定的に評価される」と述べた。
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