2024 年 7月 16日 (火)
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それでも是枝裕和「ベイビー・ブローカー」 (上)

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是枝裕和映画の真髄を望むとしたら、満足できないかもしれない。しかしソン・ガンホ、カン・ドンウォン、IU、ペ・ドゥナ、イ・ジュヨンら俳優たちの演技のアンサンブルを期待するならば、失望はしないだろう。

映画「ベイビー・ブローカー」を是枝監督のフィルモグラフィの相当部分を占める「傑作」のカテゴリーに入れることは難しそうだ。この作品は、さすが是枝監督の映画だ、と思えるほど卓越した面を持っている半面、是枝監督の映画なのかと疑問を抱く部分もある作品だ。

それでも俳優たちの演技は是枝監督が作った映画の中で最も優れている。カン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、イ・ジュヨンがしっかりと支え、IUが果敢に打って出る。そしてソン・ガンホは、共演する俳優たちはもちろん、作品全体をまとめ上げる姿を見せてくれる。

サンヒョン(ソン・ガンホ)とドンス(カン・ドンウォン)は、教会が運営するベビーボックスに捨てられた赤ちゃんを盗み出す。正式な養子縁組の手続きを踏まずに赤ちゃんを育てたい人たちから金を受け取って売るベイビー・ブローカーだ。

今回も捨てられた男の子をこっそり連れてきて、子供がほしい人を物色する。ところが、赤ちゃんの母親が子供を取り戻しに教会に来てしまった。

ベビーボックスに置いてきた子供がいなくなったことを知った母親が、警察に通報しようとする動きを見せる。すると、ドンスは通報をやめさせ、自分とサンヒョンがやっていることについて説明する。

そうするうち、母親のソヨン(IU)は、赤ちゃんを養子縁組する親を自分で選ぶのだといい、サンヒョンとドンスの取引現場に同行することになった。サンヒョンとドンスを人身売買の容疑者と見る刑事たち(ペ・ドゥナ、イ・ジュヨン)は、彼らを現行犯で逮捕するため、後を追う――。

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一部では、ソン・ガンホのカンヌ映画祭主演男優賞を「彼に対するカンヌの礼遇」と評価する。

これまでソン・ガンホがさまざまな映画でカンヌのコンペティション部門に出品したり、審査委員をしたりしたため、これに報いるために主演男優賞を与えたという話だ。

しかし「ベイビー・ブローカー」を見れば、このような話にはならないだろう。

この偉大な俳優は、感情の起伏が大きくはないこの映画で、極めて緻密な演技を見せながら観客を魅了する。特に、いくつかの場面では忘れられない表情を見せる。映画の後半部でサンヒョンが娘と対面する場面は、この大物俳優のハイライトフィルムを作る時に必ず入らなければならない美しい演技だ。

是枝監督は「この場面を何度も見たが、見るたびに素晴らしい演技だと思う」と語る。ソン・ガンホの演技を見られるだけでも「ベイビー・ブローカー」は十分価値がある。

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