2025 年 8月 26日 (火)
ホーム政治北朝鮮「金正恩総書記の涙」を前面に出す北朝鮮式“顕彰”…ロシア派兵軍人の記録映画を制作へ

「金正恩総書記の涙」を前面に出す北朝鮮式“顕彰”…ロシア派兵軍人の記録映画を制作へ

朝鮮中央テレビは8月22日、ロシアに派兵された軍人の遺体が送還される様子を報じた=朝鮮中央テレビ(c)news1

北朝鮮がロシアに派兵した軍人の活動を大々的に宣伝する映像を公開した。キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が戦死者を弔い、涙を見せる場面を強調するなど、今回の派兵を契機に、「顕彰事業」を体制結束の重要な手段として活用しようという意図がうかがえる。

朝鮮中央テレビは8月22日、特別番組を通じてロシアに派兵された軍人の活動を紹介した。映像では「2024年10月、共和国武力の戦闘部隊がロシアのクルスク解放作戦に参戦した」とし、雪に覆われた戦場や崩壊した家屋の中で訓練を行う兵士の姿が映し出された。また、負傷兵を支える場面、部隊で作戦会議を開く様子、爆破作戦やドローン戦の訓練も紹介された。

番組ではさらに、キム総書記が1月1日に派兵兵士へ送った直筆の新年書簡も公開された。キム総書記は「愛する人民と全軍将兵の激励を込めて、祖国の名誉を代表する英雄である同志たちに熱い感謝を送る」と記していた。

キム総書記は平壌国際空港で営まれた戦死者の遺体搬送式にも出席し、涙を見せた。6月にも同様の場面が公開されていたが、今回の映像では8月1日の日付が確認され、複数回の運搬式が開催されたことを示唆している。この場面は「祖国と永生」というタイトルの特別番組として編成されるほど強調された。

22日の放送では、正午から2時間以上にわたり派兵軍関連の報道が続いた。北朝鮮が今後、公開映像を整理して派兵軍に関する記録映画を制作する可能性も高い。これは最高指導者への忠誠心を喚起し、派兵の正当性を強調するとともに、派兵による民心の動揺を抑える狙いがあるとみられる。

(c)news1

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