2024 年 2月 24日 (土)
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「運転しなきゃ、人生終わった気分」 [KWレポート] 韓国・高齢ドライバーの本音 (1)

宅配貨物車に乗り込むパク・ジョンヒョクさん(c)MONEYTODAY

韓国西部・全羅北道(チョルラプクド)淳昌(スンチャン)で3月、70代ドライバーが1トントラックの運転を誤り、死傷者20人の大事故を起こした。韓国で最近、こうした高齢ドライバーの交通事故が増えている。対策に奔走する当局と産業界、当事者である高齢者の話を聞いてみた。

◇高齢ドライバー、5年で43%増

高齢ドライバーや、彼らが起こす交通事故が急速に増え、対策作りが急がれている。淳昌の事故も高齢ドライバーの未熟な運転操作が原因だとみられている。

警察庁によると、2021年末に韓国で運転免許を保有している満65歳以上の高齢者は約402万人だ。2017年(280万人)と比べると、5年間で43%増加した。

営業用車両を運転する高齢者も増えている。

韓国交通研究院によると、一般貨物車のオーナードライバーの平均年齢は53.7歳だ。60代は25.8%で、50代以上が全体の70.5%を占めた。昨年12月に全国計16万4452人の個人タクシー運転手のうち、70代は3万3283人、80代は1323人だ。

2017~21年に発生した交通事故103万9748件のうち、61歳以上のドライバーが起こした事故は24万3947件で、全体の23.4%を占めている。また、21~60歳が起こした交通事故が2017年の16万513件から2021年の14万2798件に減少する一方、61歳以上が起こした事故は4万3088件から5万419件に増加している。

高齢ドライバーの事故を減らすため、一定年齢が過ぎれば免許を返納させる制度などを活性化させるべきだという意見が出ている。だが、高齢ドライバーは「年齢を基準に制限を設けてはならない」という立場だ。彼らは「健康管理によって十分に安全に運転できる」と強調する。

◇国民年金40万ウォン「生きていけない」

貨物自動車の運転手、パク・ジョンヒョクさん(仮名・73)は次のように主張する。

「運転手は自分の体調を知っている。聴力、視力に問題が生じ、運転に支障をきたすほどなら、車を手放す。周囲には86歳のドライバーもいる。健康に特別な問題がない限り、引き続き運転できるようにしてもらいたい」

タクシー運転手のハン・ギョンヒさん(73)は「自己管理をどの程度したかが重要だ」と言い「認知能力を維持するため、登山をはじめとする運動を続けている」と話した。

特に、営業車両を運転する高齢者は、雇用の選択肢が足りないと口をそろえる。

個人タクシー運転手のチョンさん(76)は「タクシーの運転をやめてしまったら、ほかにできることがない。インターネットをうまく操れるわけでもなく、この年齢で新たな仕事を見つけるのも一人では難しい」と話した。

ハン・ギョンヒさんは「毎月受け取る国民年金は30万から40万ウォン(1ウォン=約0.1円)で、公共料金を払えばいくらも残らない。子どもたちにも負担をかけたくない。運転以外に何をしたらいいのかわからない」と語った。

◇「60歳を超えれば仕事なくなる」

タクシー運転手のユン・ジャムンさんは84歳にもかかわらず、毎日腕立て伏せ100回、5~8キロ歩くなど、運動を怠らない。健康を維持し、ハンドルを長く握るためだ。

ユン・ジャムンさんの言い分はこうだ。

「40年以上タクシー運転手をしている。この仕事がなければ、人生が終わった気分になりそうだ。この歳で他の仕事ができるだろうか。家にいれば寂しいだろうし、他の仕事をどこで探せばよいかさえわからない」

1日に6~7時間仕事をするユンさんの1日の収入は、8万ウォン程度だ。国民年金は毎月約18万ウォン受け取っている。

大企業の通勤バスを運転するソン・ミングクさん(仮名・74)は「運転をしながら健康と達成感が得られる」と話した。パク・ジョンヒョクさんも「普通は60歳を超えれば働ける職がない。人は仕事があってこそ幸せになれる」と語った。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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