2024 年 7月 27日 (土)
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「試験でのペナルティ?ヤンキーには無意味」 [KWレポート] ドラマじゃない“韓流いじめ”のリアル (2)

(c)MONEYTODAY

生徒の大半は、間接的にであっても校内暴力を経験する。生徒たちは、現在の校内暴力への対処法が「弥縫策」(びほうさく=物事を取り繕うだけの措置)に過ぎないと指摘する。校内暴力を減らすためには、加害者を強力に処罰しなければならないのだと彼らは口をそろえる。

◇「被害者を助けることは難しい」

MONEYTODAYの記者が中・高校生たちに話を聞いたところ、身体的な暴力より、いじめや言葉による暴力が頻繁に起きるという。

イ・ミヌ君(18、以下仮名)が中学生時代の話を聞かせてくれた。

「力のある友達が弱そうな友達を相手に『体操着を貸してくれるか』と尋ねる。そして、実際に貸してくれると、その時から相手を甘く見て、いじめを始めるんです」

そして、集団でのいじめに発展する。

「主に使い走りをさせたていたが、1人が始めると周囲の友達もそれに同調した」

キム・ジョンス君(17)は「中学校の時、出身地域のせいでからかわれる友達がいて、私もたまにからかった。誰も先生らに通報しなかったことを覚えている」と話した。

生徒たちはこのような暴力を目撃しても傍観するのが常だ。「暴力の矢」が自分に返ってくるのではないかと恐れているからだ。

チェ・ヒジョンさん(18)は「いじめや校内暴力を見ても、気軽に被害者を助けることは難しい。その理由は“先生や警察に通報して悪いことに巻き込まれるのではないか”という恐怖のためだ」と話す。

チョ・テヒョン君(16)は「中学校の時にいじめを目撃したが、『自分のことに集中しよう』と思い込むようにした。事件に巻き込まれないか、と心配して通報しなかった。そのたびに心の中では罪悪感を覚えた」と語った。

◇不十分な教育と事後の措置

生徒たちが不十分だと感じているのは、校内暴力予防のための教育と事後の措置だ。イ・ミヌ君は「中学校の時、月に一度だけ1時間の校内暴力予防動画を視聴し、感想文を出していた。同級生をいじめている子が反省して謝罪するという内容だった。ただ、今考えてみると、校内暴力をどこに申告すればいいのかについては触れられていなかった」と話した。

学校側も対応をしていないわけではない。ファン・ジンウク君(17)は「グループチャットルームを通じたいじめが問題になるため、私たちの学校では、担任の先生が入っていないグループトークを作れないようになっていた。一度だけ運動会準備のために友達だけでグループトークを作って、先生に怒られた」と話す。

教師たちの対応のまずさを指摘するのは、パク・ヒョジンさん(17)だ。

「校内暴力事件に対する先生たちの態度が消極的だ。先生たちはとりあえず無条件で和解しろと言うが、和解をしても校内暴力委員会まで情報が伝わらず、終わってしまう」

大半の生徒は、校内暴力問題を解決するためには加害者に対する強力な処罰が必要だと主張する。校内暴力の加害者は、処分として校内ボランティアなどの義務が課されることがある。ただ、問題を頻繁に起こす加害者にとっては、こうした処分はむしろ「授業を受けなくてよい理由」にもなるので、歓迎されている。

クォン・ドヨンさん(17)は「深刻な校内暴力は学校外で起きる場合が多く、先生たちが管理するのには限界がある。処罰のレベルが低すぎるため、再び校内暴力が起きてしまう。処罰が本当に効果的なのか疑問だ」と話した。

ホン・スルギさん(15)も「単純にからかうのも暴力だということをきちんと教育することが大切だ。同時に校内暴力の加害者に対して厳罰を科す必要があると思う」と話した。

キム・ジョンス君は「入試でペナルティを与えるという対策は、入試に関心のないヤンキーには役に立たない。問題解決のためには強い法的処罰が必要だ」と語った。

(つづく)

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