2024 年 5月 27日 (月)
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「手当を固定額で支給」韓国企業の3社に1社 [KWレポート] サービス残業の世界 (1)

大韓商工会議所が2015年「第2回企業写真公募展」で大賞に選んだ「パパは夜勤中」。夜間にソウル中心部のオフィスビルを撮った(写真提供=大韓商工会議所)(c)MONEYTODAY

今日も韓国で数多くの事務職が「サービス残業」をする。残業代や休日出勤手当などを固定額で支給する「包括賃金制」の下では、週当たり労働時間が52時間であれ69時間であれ、報酬なしの超過勤務を避け難い。労働時間の測定が難しい場合にのみ採用される包括賃金制が「伝家の宝刀」のように乱用される現実を見直す方法はないだろうか。

◇「これ以上放置できない」与野党一致

韓国が「サービス残業」に苦しんでいる。超過勤務をしても「包括賃金制」という理由で正当な報酬を受けられない事務職が相当数にのぼる。MZ世代(1980年代初め~2000年代初め生まれ)は、これを「現代版奴隷」「残業自由利用権」と嘲笑する。ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権が野心的に推進した労働時間制度改革案が「週69時間勤務制」「過労社会助長法」として世論から十字砲火を浴びたのもこのためだ。

政府と与党「国民の力」は、今のように「包括賃金制」を誤・乱用される現実をこれ以上放置できないという認識で一致し、包括賃金制を制限または禁止するための方法を検討している。野党もこうした方向に同意しているという点で、実際に制度改善が実現する可能性に重きが置かれている。

◇「包括賃金制」改革不可欠

先月6日、政府が発表した「労働時間改革案」の立法予告期間が17日に終了した。政府と与党は立法予告期間に集約された意見を土台に▽弾力的な労働時間▽働いた分だけ受け取る正当な報酬▽会社の顔色をうかがわないで休暇を取得する――などに焦点を合わせた制度改革案を立案する。仕事が集中する時に多く働き、休む時は積極的な休憩時間を確実に保障できるようにするということだ。

何よりも「サービス残業」を煽る「包括賃金制」の改革が避けられないというのが政府と与党の共通した判断がある。

包括賃金制とは延長、夜間、休日労働に相応する手当を、実労働時間と関係なく基本賃金に含めて支給する賃金体系だ。法律で定められた制度ではない。包括賃金制は労働基準法に根拠を置かず、最高裁の判例により、勤務時間の算定が難しい場合に限り、例外的に認められた慣行だ。

「国民の力」青年指導部と政府関係者、大統領室青年政策担当行政官らによる「青年党・政・大(党・政府・大統領室)」は今月13日、中小企業に勤める若者たちに会い、週69時間労働制と関連した懸念を聞き取り「正当な報酬」に対する方策を準備すると約束した。

この席に参加したキム・ビョンミン最高委員は「多くの労働者が提起する『超過勤務手当を受け取れないことによる賃金未払い』やサービス残業など、包括賃金制の副作用に党・政の焦点を合わせている」と述べた。

◇「趣旨」を外れて誤用・乱用

事実、出退勤と勤務時間を明確に管理できるならば、包括賃金制を適用することは原則的に違法だ。包括賃金制を適用しても労使合意は必須条件となる。それでも包括賃金制は韓国企業の3社に1社が運用するほど普遍化している。雇用労働省が2020年に実施した実態調査によると、包括賃金制適用事業所は調査対象の2522社のうち749社(29.7%)に達した。労働時間算定が難しくない一般事務職と事業所も計算上「便宜」を掲げて包括賃金制を誤・乱用しているとみられる。

国会環境労働委員会与党幹事を受け持つ「国民の力」のイム・イジャ議員は、MONEYTODAYの取材に「包括賃金制が趣旨とは異なり誤・乱用されサービス残業、賃金未払いを引き起こしているという問題提起に共感する。これを改善するために党でも議論をしている」と明らかにした。

政府も包括賃金の誤用・乱用防止または根絶対策作りに着手した。同省のパク・スヨン労働懸案推進団課長は「イ・ジョンシク(李正植)雇用労働相が何度も話したように、労働時間改編は実質的に労働時間を短縮し、公正な報酬体系確立という趣旨がある。現場の憂慮がないよう、実質的に機能する方法が何か考える」と話した。

同省は、違法に包括賃金制を導入している企業に対する管理監査を強化する方針だ。包括賃金制を誤・乱用したと疑われる事業所に対して1次監査に入り、結果を今月末または来月初めに発表する予定だ。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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