2024 年 7月 27日 (土)
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「大統領府解体」公約…光化門出勤は可能か

ユン・ソンヨル(尹錫悦)氏が大統領執務室として構想している政府ソウル庁舎の全景©news1

韓国の保守系野党「国民の力」のユン・ソンヨル(尹錫悦)氏が第20代大統領に当選したことにより、ユン氏の代表的な政治公約「光化門時代」の実現の可否にも関心が集まっている。

ユン氏は今年1月27日、ソウル・汝矣島(ヨイド)の党本部で「私が大統領になれば既存の大統領府は消える。組職・構造も、仕事方式もまったく違う、新しい概念の大統領室ができる」と公約した。

新しい大統領執務室は、光化門(クァンファムン)に位置する政府ソウル庁舎に置くという構想だ。大統領が居住する既存の大統領府官邸も三清洞(サムチョンドン)の首相公館など他の所に移し、大統領府を事実上解体する考えだ。

ユン氏は青瓦台(チョンワデ)=大統領府=を解体した後、新しい大統領室を通じて、既存の「帝王的大統領」という権限を下ろし、国を挙げての懸案企画と推進、未来戦略樹立に集中すると述べた。従来の大統領府敷地は、歴史館や市民公園として活用するなど、国民に開放する計画だ。

ユン氏の構想によると、大統領室は各分野別に設置された複数の官民合同委員会を中心に運営される見通しだ。そこには公務員とともに政界関係者や学識経験者、メディア関係者ら分野別の民間専門家が参加する。ユン氏はこうした専門家を中心に国家的課題を抽出し、推進して国政を運営する方針だ。このほか、精鋭化した大統領室参謀を置いて、大統領とともに複数の合同委員会を支援する役割を任せるとしている。

ユン氏は、既存の大統領府組職を縮小するために、首席秘書官と民情首席室、配偶者を補佐する第2付属室を廃止し、人員を30%ほど削減するという計画も出した。

もちろん「光化門時代」が実現できるか未知数だ。ムン・ジェイン(文在寅)大統領も5年前の公約として「光化門の大統領」を掲げ、当選後にいくつかの案を検討したが、警護・保安問題が障害になった。迎賓館やヘリポートなどの主要施設を用意する空間が光化門近くにないという点も考慮され、結局、公約履行をあきらめなければならなかった。

ただ党内ではユン氏が公約発表の際、「次期政権は任期初日から新しい空間で新しい方式で国政を始める」と明らかにしただけに、光化門時代が限定的であれ、実現するという見方が多い。ユン氏は警護問題について「十分に検討した」「大統領がどのように働くかが重要で、警護はここに合わせなければならない」と述べた。

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