2024 年 10月 8日 (火)
ホームライフスタイル「健康100歳」 一番難しい質問は「何食べる?」…「決定障害」治す方法はありますか?

「健康100歳」 一番難しい質問は「何食べる?」…「決定障害」治す方法はありますか?

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「何食べる?」。キムさん(29)が最も苦手な言葉だ。きょうも20分間、メニューをまじまじと見つめて夕飯のメニューを決めた。

この日の朝も、キムさんはジーパンを履くか、ワンピースを着るか、鏡の前で1時間以上も悩み、待ち合わせ場所へ向かった。

1人で部屋の掃除をする時も、掃除機を手に取っては置く。友達にメッセージを送る時も消してはまた書いてを繰り返す。選択の瞬間を迎えるたびにキムさんは苦痛を感じている。

「冗談で言っていた『決定障害』が、まさにこれなのか」。心配になったキムさんは結局、精神健康医学科を訪れ、治療を受ける決心をした。

何かを決めるのに、周囲よりも多くの時間がかかる――これを俗に「決定障害」という。「決定障害」は疾患ではなく、「決められない」という症状を差す言葉だ。それゆえ、正式な診断名も存在しない。

決定障害の原因ははっきりとわからないが、専門家は、厳しい両親の下で育った場合、症状が出やすいと分析している。特に決定障害は病気ではないため、多くが性格と関係があるというのだ。

性格に最も大きな影響を与える重要人物は両親であり、仮に厳しい親の下で育ったとすれば、超自我(人間の精神機能の中でルールや道徳、良心、倫理、理性を担い、善悪を判断する機能)の中で道徳、良心、倫理などが占める部分が大きくなる。そのため、無意識のうちに「間違った選択をしてはいけない」「常に最善の結果を導かなければいけない」という考えが根付き、日常生活で非常に些細なことですら決めることができず、人目を気にするシーンが多くなる。

決定障害を治すのに最も役に立つのは、良好な人間関係を新たに形成することだ。

幼年期には「無意識の形成」に両親が最も影響を与えるが、大人になれば、親から独立して友達、同僚、恋人ら「影響を与えるような人」を見つけやすくなり、彼らとの経験を通じて症状が良くなる場合もあるためだ。

漢陽(ハニャン)大九里(クリ)病院精神健康医学科のキム・イルビン教授は次のようにアドバイスする。

「すべての状況で一長一短を考えてしまうため、一つのことを決めるのにも時間が多くかかる。慈悲深く、寛大で、おおらかな人たちと良い人間関係を結び、彼らと決定を下すシーンをたくさん経験してみると良い」

たとえば「ピザ」と「チキン」で、迷うキムさんに「ピザを食べなきゃ」「私も優柔不断で選べられない。あなたが決めてよ」と選択を押し付けたりするのではなく、「何を選んでも、私は全部、おいしくいただくよ」「あなたが選んでくれるものは、すべていいと思う」などの言葉をかけてあげるのが良い。「いかなる選択をしても、本人と相手に損害が及ぶことはない」という認識を育ててあげることが大切だ。

決められない人同士が深い付き合いをする場合、互いに選択を押しつけ、症状がひどくなることもある。

ソウル大病院精神健康医学科のクォン・ジュンス教授はこう助言する。

「決定障害の症状が見られる人の多くが、他人と自分を損させないために、遅くまで会社に残って仕事をしたり、仕事を家に持ち帰ったりするワーカーホリック(仕事中毒)の傾向が強い。自分のためにも『完璧さを追求できるが、そもそもこの世に完璧なことはありえない』と考え、心に余裕を持つことが大事だ」

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