新型コロナウイルス感染の拡散傾向が再び強まり、韓国企業が会食など団体活動の“自制令”を出すと、MZ世代の会社員の間で歓迎の声が出ている。MZ会社員の間では会食は「業務の延長」と反発が大きく、早く退勤する「夕方のある暮らし」を求める。主要企業各社は、新型コロナウイルスの再拡散をきっかけに、従来の会社文化の見直しに乗り出した形だ。
◇エンデミックブルー
サムスン電子とSKグループ、現代・起亜自動車などの主要企業は最近、団体活動を自制するよう内部指針を伝えたり、組織別に一部の在宅勤務制を再開したりした。1日新規感染者が連日8万~10万人台を記録するようになったことで、ソーシャルディスタンス解除以前の4月レベルに防疫指針を再び強化したのだ。国内・海外出張もできるだけ自制し、対面での会議や新入職員教育なども延期したり、オンラインに切り替えたりしている。
こうした流れに肯定的な反応を示すのは、ソーシャルディスタンス解除で「エンデミックブルー」に苦しめられた若い会社員たちだ。
私的な集まりが制限されて憂うつになった「コロナブルー」とは対照的に、エンデミックブルーは会食などでストレスを受ける症状を意味する。ロイター通信などが「韓国の若い会社員たちは、会食でエンデミックブルーを体験している」と報道するほど社会的現象になった。
会食自制を社内福祉の一部に挙げる会社員も増えている。
HRテック企業インクルートが最近、会社員1013人を対象にしたアンケート調査によると、回答者の94.5%が「新型コロナウイルス感染で変わった会食文化に肯定的」と答えた。特に、会食をしても時間を短縮した「短い会食」を好む比率も60%を越え、20~30代ほど、その傾向が強かった。
◇「自由に参加できる雰囲気」を
主要企業はこれに歩調を合わせ、既存の社内文化改編に乗り出している。
サムスン電子のハン・ジョンヒ(韓宗熙)副会長が社内掲示板を通じ、職員の「会食不満」に自ら回答したのがその代表例だ。ハン副会長は「部署会食をする場合、自由に参加できる雰囲気を作ってほしい。会食は業務の延長ではなく、健全で楽しく業務ストレスを解く時間になればと思う」と指摘している。
サムスン電子は会食を減らしながら「夕方のある暮らし」を含む福利厚生の拡大改編に速度を上げている。生活家電事業部は月に1回、午後5時以前の退勤を保障する「ギフトデー」を導入し、この日には午後4時以後の団体行事や、部署別会食も禁止にした。
SKハイニックスも毎月第3金曜日ごとに休む「ハッピーフライデー」を運営しており、個別勤務が可能な拠点オフィスを拡大する。特に妊娠した職員の場合、妊娠期間中にすべての勤労時間を短縮して勤務することができる。
業界関係者は「年俸の引き上げには限界がある。人材流出を防ぐには社内福祉が拡大した方が効率的で、直ちに効果を期待できる。新型コロナウイルス感染を契機に団体活動が中断されても勤務に支障がない、ということが確認されたため、こうした動きがさらに加速するだろう」と分析する。
©MONEYTODAY