2024 年 12月 27日 (金)
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「ゴルフブーム」で急増したゴルフ場…農薬使用200トン超「過去最大」

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新型コロナウイルス感染拡大後、韓国国内でゴルフブームが続いているなか、ゴルフ人口急増と関連施設利用増加などの影響で全国ゴルフ場の農薬使用量が過去最大となった。

野党「共に民主党」のキム・ヨンジン議員が環境省から受け取った「ゴルフ場農薬使用実態」資料分析の結果、2020年全国541カ所のゴルフ場で使われた農薬は計202.1トン。これを市販の容器に表記される容量である実物量(純粋農薬+その他添加物など)に換算すると685トンに達する。

2020年に使われた農薬は直前の2019年に使われた農薬(186.1トン)より16トンほど増えたもので、1年間で8.6%も増加したわけだ。これは最近になってゴルフ場が増え、農薬使用量も自然に増えたものと分析される。この10年間、全国のゴルフ場は11年421カ所から20年541カ所へと28.5%増えた。

ゴルフ場で使われた農薬は計286品目。その中で殺菌剤として知られた「クロロタロニル」使用量が13.7トンで最も多く、これに殺菌剤の「チオパネートメチル(13.2トン)」と「イプロジオン(11.3トン)」、殺虫剤の「ペニトロチオン(10.8トン)」が続く。

特に、ゴルフ場で使用された農薬の中で最も多く使用されているクロロタニルの場合は、海外では禁止されている薬品として使われており、安全性を巡る議論を起きている。

使用1位のクロロタニルは殺虫剤「DDT」のような有機塩素剤系列に属する殺菌剤で、魚類のDNA損傷など、生態系に悪影響を及ぼすことでしられる。欧州連合(EU)とスイスは2019年に使用禁止を発表している。また、3番目に多く使われる農薬「イプロジオン」もEUではかなり厳格に管理されている農薬だという。

ただ、ゴルフ場農薬使用量の増加にもかかわらず、これを制裁する規定や使用量に対する基準は不十分な状況だ。

環境省によると、今年4月現在、韓国に登録された高毒性農薬は計99種だ。このうち使用1位のクロロタニルなどは、まだ高毒性農薬に分類されておらず、農薬使用に制約がない。つまり猛・強毒性農薬登録などを担当している農村振興庁で明確な基準や規定を分類していないため、未登録の農薬使用には制約がない実情だ。

また、一部では省庁間の「仕切り」によって、環境問題が宙ぶらりんになっているという指摘も出ている。ゴルフ場の猛毒性残留農薬を検査する主務省庁は環境省である一方、禁止農薬基準管理は農村振興庁が担当しており、責任所在が不明確なためだ。

利用客が増えたゴルフ場の農薬使用量増加が安全問題をはじめ土壌・水質汚染を引き起こす恐れがある。これが格別の注意と関連政策などが必要だという主張につながっている。

キム・ヨンジン議員は「ゴルフ人口増加と気象の異変が続出し、農薬使用が大きく増えている。ゴルフ場の化学農薬増加は土壌と水質汚染の危険性増加につながる。政府は対策を準備すべきだ」と指摘している。

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