2024 年 12月 22日 (日)
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「ウサギのカチューシャ」「仮面の人物」…梨泰院事故関連のSNS情報「いずれも嫌疑なし」

13日午前、梨泰院(イテウォン)雑踏事故の最終捜査結果を発表する特別捜査本部のソン・ジェハン本部長(c)news1

ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)で昨年10月29日に起きた雑踏事故について、韓国警察庁の特別捜査本部は13日、74日間にわたった捜査結果を発表した。事故発生の直接的な原因として、人々が密集して押し流される「群衆流体化」と呼ばれる現象を挙げた。

また、予防措置の不備と不適切な対応、救助の遅れなど、各機関の過失も重なったとも指摘した。捜査本部は業務上過失致死傷などの疑いで24人を立件(1人死亡)した。

このような成果にもかかわらず、イ・サンミン(李祥敏)行政安全相、オ・セフン(呉世勲)ソウル市長、ユン・ヒグン(尹熙根)警察庁長官ら「上層部」に対する捜査は不十分で、「竜頭蛇尾」で終わったという批判は避けられない。

◇総体的不備

特別捜査本部はこの日、梨泰院雑踏事故の原因として▽関連機関の過失が幾重にも重なったこと▽群衆流体化現象――の2点を挙げた。

まず、特別捜査本部は警察・地方自治体・ソウル交通公社など法令上災害安全予防・対応義務がある機関が、多重雲集(組織されていない多数の群衆が集まると予想される行事)による安全事故を十分に予想できたにもかかわらず、事故前の予防措置を果たさず、事故当日とその後も適切に対処していなかったと明らかにした。

具体的に▽事前に十分な安全対策を立てず予防措置がなかった▽事故当時、救助の申告を受け付けても適切な措置を取らなかった▽事故後、不正確な状況判断と伝達の遅れ▽関連機関の協力不備▽救護の遅れ――など複数の要因で惨事につながったとみている。

また、当日の午後5時以降、梨泰院の世界飲食街一帯に人波が急増し、午後9時からは「群衆流体化」現象が発生したとみている。発生直前の午後10時13分ごろには群衆の密集がさらに深刻化し、T字型下り坂を通じて人波が押し流されるなど「群衆流体化」現象が明確になった。

午後10時15分24秒に事故地点で最初の転倒が発生し、その後約15秒間、後部からの人波が同時多発的に転倒する状況が4回続いた。以後、数百人が幾重にも折り重なり、158人が外傷性窒息、脳浮腫などで死亡し、多数の負傷者が発生した。

◇政府と警察上層部…法検討の末「容疑認められず」

特別捜査本部は警察と龍山(ヨンサン)区庁、龍山消防署、ソウル交通公社などを過失の共同正犯と規定した。各機関が「ハロウィンデー事故への備え」という共通の目標があったのに、それぞれが義務を十分に履行せず、事故が起きたという説明だ。

だが、捜査初期から関心の対象だったイ・サンミン行政安全相、オ・セフン市長、ユン・ヒグン長官ら「上層部」までは伸びず、嫌疑なしの処分、立件前で捜査終結という結果に終わった。災害に関連して上層部の責任を問うための法的根拠が足りないという理由からだ。

特別捜査本部は行政安全省について、災難安全法上、特定地域の多重密集危険に対する具体的な注意が義務づけられているとは考えにくく、大規模な人命被害という結果に対する予見・回避の可能性がないなど、事故と因果関係の認定が難しいという。

したがって、2カ月以上の捜査期間中、イ・サンミン氏に対する書面調査や事務室に対する家宅捜索が実施されることはなかった。

ユン・ヒグン氏に対しても、捜査初期に携帯電話を押収しただけで強制捜査には至らなかった。特別捜査本部はユン・ヒグン氏に対して「多重雲集行事安全管理事務は警察庁長官の職務ではない。ハロウィン安全対策に関連した内容も報告されず、事故は予見できなかった」という理由で立件前の調査だけで終わらせた。

警察庁に対しては自治警察制施行以後、法令上、多重雲集行事安全管理事務は自治警察事務とし、ソウル警察庁長が自治警察委員会の指揮・監督を受けて管掌するよう規定されている。この点を「嫌疑なし」の理由に挙げた。

ソウル市自治警察委員会は法令上、多重雲集行事の安全管理事務に対する指揮監督権があるが、ソウル庁の報告があれば審議・議決する形であり、梨泰院ハロウィン退避計画は適時報告されず、指揮監督権を行使できなかったと説明した。

◇「ウサギのカチューシャ」「カクシタル」「押して押して扇動者」

梨泰院雑踏事故直後、SNSに上がった「カクシタル(韓国の伝統的な仮面劇に使われる仮面のひとつ)」や「押して押して扇動者」らも捜査対象となり、いずれも「直接的な関連なし」と確認された。

最も議論になった「カクシタル」を着用した人たちがアボカドオイルを床に撒いて滑らせたという疑惑に対して、カクシタルの着用者を呼んで調査し、カード使用の内訳まで確認した結果、疑惑を見つけられなかったという。

このほかにも▽「ウサギのカチューシャ」を着用した人物▽居酒屋のドアを閉めて店内に入れないようにした事業主▽客の保護のために人々を押し戻した警備員▽事故当日、都心の集会に参加した民主労総関係者▽SNS上で本人が人々を押したと主張した者――らに対しても捜査を進めた結果、事故原因と直接関連がなく、立件前の調査で終わらせたという。

(c)news1

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