
米首都ワシントンのホワイトハウス前で8月25日正午過ぎ(現地時間)、韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領とトランプ米大統領が笑顔で握手を交わした直後、トランプ氏は突然、イ・ジェミョン大統領の耳元で「我々はああいう連中を“フェイクニュース”と呼ぶ」と語りかけた。
これは、会談3時間前にトランプ氏が自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿した「韓国の粛清」発言をめぐる混乱に関連したものだ。
トランプ氏は投稿で「韓国で何が起きているのか? 粛清か革命のようだ。我々はあのような場所ではビジネスできない」と疑問を呈していた。だが、その後、韓国側が誤解を解いたことで、トランプ氏は自らの発言を「フェイクニュース」とした形となった。
誤解解消のカギを握ったのは、韓国のカン・フンシク(姜勲植)大統領秘書室長と、トランプ氏の最側近、スージー・ワイルズ大統領首席補佐官の接触だった。会談1時間前、カン・フンシク氏はワイルズ氏に会い、SNS投稿の真意を説明。ワイルズ氏を通じてトランプ氏に事実関係が正確に伝えられたという。
この過程を通じて、韓米間では初めてとなる秘書室長間の「ホットライン」も確立された。これ自体が今回の首脳会談の重要な成果の一つとされる。
一方、イ・ジェミョン大統領はトランプ氏との会談後、戦略国際問題研究所(CSIS)での演説で「我が方のスタッフは、ウクライナのゼレンスキー大統領や南アフリカのラマポーザ大統領のような“外交事故”を懸念していた」と率直に語った。だが、イ・ジェミョン大統領は事前にトランプ氏を徹底的に研究していたという。
イ・ジェミョン大統領はトランプ氏の著書「トランプ―取引の技術」を読破し、「トランプ氏は相手にとって過酷な条件を一時的に提示することがあっても、最終的に非合理的な結論に至ることはない」と分析。韓米同盟に亀裂が入る事態は起きないと確信していたと明かした。
実際、イ・ジェミョン大統領はトランプ氏に対し、「あなたこそが朝鮮半島問題を解決できる唯一の人物」「ピースメーカーだ」とたびたび称賛。これはYouTubeなどで全米に中継され、トランプ氏も「偉大な人々」「素晴らしい交渉だった」と応じた。
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